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7月12日(金)より全国公開となる映画『サイレントヒル:リベレーション3D』。神秘的な美しさと残酷さが渦巻くオリジナルな世界観、暗闇に閉ざされた迷宮空間をおそるおそる探検していくスリルと圧倒的な臨場感が、世界中のユーザーを夢中にさせたKONAMIのホラーアドベンチャーゲーム「サイレントヒル」をベースとした話題作です。
本作で映画音楽を担当しているのが、ゲーム「サイレントヒル」シリーズの制作に関わり、映画『サイレントヒル』(06)の音楽も担当している山岡晃氏。東京芸術大学卒業後、TVゲーム業界のみならず、様々な分野で活躍しています。今回は山岡氏にインタビューを慣行。ゲーム音楽の作曲に携わる様になったきっかけから、映画の見所までお話しを聞きました。
――まずお聞きしたいのが、山岡さんがゲーム音楽を作曲しようとしたきっかけなのですが。
山岡晃氏:もともと僕は大学で音楽は関係無い、デザインやヴィジュアルの勉強をしていて。ゲームは好きだったので、CGを作るソフトで音楽も作れたので、何となく作り始めて、それがゲームに採用されて仕事をするようになったんです。
――もともと音楽を勉強していたわけでは無いんですね。
山岡氏:いまだに音符も読めないし音楽全然出来ないんですよ(笑)。映像を作っている感覚、感性で作っています。もともと音楽を勉強していたわけでは無いので、やるのであれば、違う音楽スタイルを目指していきたいと思いました。ルールを無視した物を作りたい、というのは今も制作のモチベーションとなっています。
――感性で音楽制作をされているとのこと、それ故に苦労された経験などはありますか?
山岡氏:それが、僕は全然苦労も無く、好きな事だけをやっています。珍しいものづくりの経験かもしれませんね。よく、同じクリエイターの方から相談をされるのですが「好きなことやればいいじゃん!」って言っちゃいますよ。自分の作りたい物が作れないという時は、自分で歯止めをかけているのが大半です。もちろん、組織や人間関係の問題もあるんでしょうけどね。“作風”というのもある意味歯止めの一つだし、自由にやるという事を一番大切にしています。
――他の作品にも数多く携わっている山岡さんですが、「サイレントヒル」は特にシリーズを通した音楽制作を行っています。「サイレントヒル」の一番の魅力とはどんな所にあるのでしょうか?
山岡氏:他のホラー作品には無い怖さと人間愛の深さでしょうね。ただ、化け物が出てきて怖い、殺される! という展開じゃなくて、霧が出てきたり、建物が朽ちていたり、ダークファンタジーな世界観がしっかりあって。その中に、今回の映画であれば親子愛というドラマがあって単純なホラーじゃない所が一番の魅力だと思います。
――本作は前作よりもさらに人間ドラマの要素が多くなっていますものね。
山岡氏:前作は、クリストフ・ガンズ監督がゲーマーで、どれだけゲームに近づけるかがテーマだったんですけど、『サイレントヒル:リベレーション3D』は「サイレントヒル3」をベースとしながら、ゲームをしていない人でも分かりやすい作品になっています。
――音楽で最もこだわった部分はどこでしょうか?
山岡氏:集団のナースが音に反応して動き出すのですが、ゲームではナースが反応するのは光です。ゲームも映画も、音楽ってずっと後ろで流れているので意識していない人が多いと思うのですが、脳科学的に言うと視覚よりも一瞬で入ってくるのが音だったりするので、実はとても重要な要素なんですよね。
――今、お話を聞いてて映画をもう一度音に注目して見直したくなりました。
山岡氏:今回の映画は特に、映画は映画の要素、ゲームから共通している要素、色々な楽しみ方がありますので、ぜひ映画を観た後にゲームでも遊んで欲しいです。「ここはあのシーンだ」と気付く部分が多くて楽しいと思いますよ。
――どうもありがとうございました。
サイレントヒル:リベレーション3D
7月12日(金)TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー
http://silenthill3d.gacchi.jp/
A Canada-France Co-Production (c) 2012 Silent Hill 2 DCP Inc. and Davis Films Production SH2, SARL.