
不良青年が誘拐され、謎の夫婦から“いい子”になるための再教育を施されるという異色監禁スリラー『HEEL/ヒール』が11月27日(金)より公開。10点の場面写真と監督の声明文が到着した。
『聖なる犯罪者』を手掛けたポーランドの鬼才ヤン・コマサ監督による本作。誘拐される青年トミーを『1917 命をかけた伝令』のアンソン・ブーンが、トミーを再教育しようとする夫婦を『アドレセンス』のスティーヴン・グレアムと『ポゼッサー』のアンドレア・ライズボローが演じる。

場面写真は、トミーと一家の奇妙な共同生活を切り取っている。リビングでの団欒、子供とのゲーム、青空の下でのピクニック。一見穏やかな家族の日常だが、トミーに嵌められた首輪とそこから逃れることを許さぬ鎖の存在が、強烈な違和感を放っている。
コマサ監督は声明文で、新人脚本家がこの物語を書いた経緯や、本作が投げかける「無制限の自由という牢獄か、それとも危うい庇護か」という問いについて語っている。
<ヤン・コマサ監督 声明文>
私が考え続けている挑発的な問いから本作は生まれた。注目されることに飢えた世界。たとえ自由でも誰にも見られずにいるのならその自由に意味はあるのか? 自由の中で孤立したまま生き続けたいと思うのか? それとも絶え間なく庇護され安らぎを得られるのなら自由をも放棄するのか?
この物語はポーランドの新人脚本家によるものだ。彼は執筆当時、IT企業でビッグデータを分析しており、コンピューターと不安定な契約に縛られた数百人のうちの1人だった。彼が書き上げた脚本は残酷で不条理。何かの物真似ではなく本物だった。まるでダークな寓話だ。そのテーマは『自殺ルーム』や『聖なる犯罪者』以来、私が追い求めてきたものと結びついてもいた。私たちを守りもするが閉じ込めもするシステムとしての家族や共同体、というテーマだ。
ワルシャワの伝説的なスタジオで撮影した。25年前、テレビ番組『ビッグ・ブラザー』のポーランド版で 15 人の参加者が自ら進んで監禁されたスタジオでもある。このスタジオ以外の撮影はイギリスのヨークシャーで行われ、『嵐が丘』を思わせるメランコリックな風が映画の中に吹き込まれるかのようだった。 スティーヴン・グレアム、アンドレア・ライズボロー、そしてアンソン・ブーンと共に、愛と独裁、沈黙と暴力の紙一重の境界を探ろうとした。イギリスとポーランドの妥協なきブラックユーモアを盛り込み、挑発的で、道徳のグレーゾーンに宙づりになったような作品を目指した。 過剰なほど緻密で、不条理で、観客を不安にさせるような作品にした。中央ヨーロッパ的な感性と、英国ゴシックらしい抑制が混じっている。その結果として生まれたのがこの謎めいたドラマ、手錠にかけられた道徳劇だ。 無制限の自由という牢獄か、それとも危うい庇護か。その選択は私たち自身を規定する。








『HEEL/ヒール』
11月27日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国ロードショー
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