2010年製作の米映画『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』を韓国でリメイク。見た目が怖すぎて、若者たちは怯え出し、警察には即座に警戒される……なのに、内面は誰よりもピュアで紳士な中年男二人組。彼らを殺人鬼だと思い込んだ人々が勝手に死んでいくホラーコメディ『ハンサム・ガイズ』が10月3日(金)より公開だ。
監督のナム・ドンヒョプに続いて、主人公のジェピルとサングを演じた韓国の名優イ・ソンミン、イ・ヒジュンが質問に回答してくれた。
――原作映画はご覧になりましたか? あまりの過激さが笑いを呼ぶ作品ですが、ぜひ印象を教えて下さい。
イ・ソンミン(ジェピル役):監督は原作映画を観ることを勧めてくれましたが、私は観なかったんです。YouTubeで映像を少しだけ見たんですが、うっすらとした記憶では、私たちの映画よりもずっとハードでグロテスクだった印象です……。
イ・ヒジュン(サング役):原作はとても面白かったです。ただ、韓国の観客には少しキツく感じられる描写もあったため、本作では監督がその点をうまく再創造してくださったと思います。
イ・ソンミン(ジェピル役)「原作映画はYouTubeでチラッと。グロかった……」
――見せ方は工夫されていますが、本作でも過激な死亡シーンが多数登場しますね。なかでも印象的だったものは?
イ・ヒジュン(サング役):もっとも印象に残ったのは、最初の死亡事件……チェーンソーを振り回すジェピルに驚いて逃げるキャラクターの死に方ですね。あまりにも突然で、ものすごく衝撃的でした。
イ・ヒジュン(サング役)「あの死亡シーンにはビックリ!」
――『タッカーとデイル』といえば、若者がうっかり粉砕機に飛び込んでしまうシーンが有名です。本作でもそのシーンが盛り込まれていますが、演じてみていかがでしたか?
イ・ソンミン(ジェピル役):画面上ではかなり残酷に見えるシーンなんですが、撮影現場の雰囲気はとても楽しく、和やかだったんです。どうしたら俳優が粉砕機の中にきれいに滑らかに吸い込まれるように見えるかと、何度もタイミングを調整したこだわりのシーンになっていますよ。
伝説的な“粉砕機シーン”は本作にもお目見え
――外見と中身がまったく異なるユニークな役柄ですが、役作りはどのように進めたのでしょうか。
イ・ヒジュン(サング役):キャラクターを研究するときは観察を重視する方なんです。サングのような実在の人物の情報をたくさん集めて、それに基づいてキャラクターの準備をしていきました。
イ・ソンミン(ジェピル役):ジェピルは正義感が強く礼儀正しい一方で、親切で思いやりのある行動には不器用、という魅力を持っています。私にとっての課題のひとつは、彼の険しい顔つきや威圧感を表現することでした。あるドキュメンタリーの、イノシシ狩りをする方々からインスピレーションを受けたのですが、偶然にも衣装チームも似たようなスタイリングを用意してくれていたため、キャラクター像に自信が持てましたね。セリフに頼りきりになりたくなかったので、舌を出したり唾を垂らしたり、動作の部分でのアドリブをたくさん盛り込んでいます。
ジェピルが蜂を追い払おうとするのだが……。帰宅後の爆笑演技(おそらくアドリブ)にご注目
――お互いの演技で印象的だったものはありますか?
イ・ヒジュン(サング役):特に印象に残ったのは、ジェピルが蜂に刺されまくった後に、腫れ上がったすごい顔で家に帰ってくるシーンの演技ですね。
イ・ソンミン(ジェピル役):その蜂に刺されるシーンでは、監督の意図よりもさらに一歩踏み込んだメイクを施しているんです。イ・ヒジュンは、とても勤勉で真面目な俳優で、いつもきちんと準備をして役に臨みます。私たちは同じ劇団にいたので、お互いのことをよく理解していて、息を合わせて動くことに慣れていました。まるでサッカーの試合のように、一方が攻めるならもう一方が守るといったバランスで、スムーズに演じられたことが印象に残っています。
『ハンサム・ガイズ』
2025年10月3日(金)より新宿ピカデリー他にて全国順次公開