古い団地を舞台に、原因不明の騒音がもたらす恐怖を描く韓国発ホラー映画『層間騒音』(そうかんそうおん)が現在公開中。撮影現場で聞こえたという“奇妙な音”についてのエピソードを、実際の音声データと、霊能者の見解とともにご紹介する。
本作は、失踪した妹を探すため、妹が住んでいた団地へとやってきた主人公ジュヨンの奇妙な体験を描いている。彼女は聴覚障がいを持っていたが、補聴器を通して謎の音を耳にするようになり、この団地にいる“何か”の存在を感じ始めるのだ。
そんな恐ろしい“音”をめぐる本作だが、撮影用に用意したものではない“音”が現場で聞こえてきたという。そう証言するのは、本作を手掛けたキム・スジン監督。それは、主人公が恐怖に立ち向かっているシーンの撮影でのことだった。誰かが鈍器を打つような“ドンドン”という異音が聞こえたそうだ。
キム・スジン監督「本当に時間がない切迫した撮影状況で、早くOKサインを出して次に進まなければならないというところでした。そんな中で、理解不能な異音が聞こえてきて、本当に腹が立ったことを覚えています。この異音のせいで、2~3テイクほど無駄にしてしまったのです。“いったいこの音は何ですか?”と音声スタッフに聞いたのですが、“え? どの音のことですか? 何の音も聞こえませんでしたけど”と言うんです。音の出所を探すのは後回しにして、早くOKを出して次に進んだのですが、時間が経てば経つほど、その出来事を思い返して鳥肌が立つんです。“あのとき自分が聞いた音は、一体なんだったんだ?”と」
実際の音声を無加工で収めた動画がこちら。冒頭は静かだが、14秒あたりから主人公のセリフ(&悲鳴)が始まるため音量に注意。キム・スジン監督が聞いたという“ドンドン”という音が、あなたには聞こえるだろうか……?(筆者は分かりませんでした)
この音声について、霊能者のパトラ美月氏が霊聴鑑定を行った。実際に音を聴いたパトラ氏は、序盤から22秒あたりと、1分20秒~1分25分の2回にわたって、「風のような音から始まって、途中からポーン、カンカンって音がする」と証言する。
パトラ美月「男性の過去生の音が聞こえました。過去生とは、生まれる前の前世の人生のことです。過去生の音が、偶然にもこの撮影場所の音と環境と合致して、聞こえてしまったのだと思います。過去生の男性の体験が、その時の撮影の雰囲気や空気と一緒だったのだと思います」
さらにパトラ氏は、キム・スジン監督の写真を確認すると、「この方、いろいろ憑いてますね。そしてとても頑固です。完璧主義だと思います。この方の過去生の音だと思います」と、監督に関連した霊の声ではないかと推察。さらに、逆再生すると音が分かりやすくなると見解を述べた。
パトラ美月「演じている主演の方(イ・ソンビン)の感情と、監督の過去生の心境がピッタリと合致してますね。逆再生すると凄く分かり易いです。始まって直ぐ聞こえますよ。監督の過去生に同じような事があったのだと思います。監督にだけ聞こえたのもそういう理由かもしれません。あとこの音が鳴ったシーンの場所って霊道になっているのではとも思いました。複数いるように聞こえるのって通り道になってしまってて複数の霊が通っているのかもしれないです」
逆再生版の動画はこちら。
そんな“異音”問題を経て作品を完成させたキム・スジン監督は、本作について「観客が十分に時間と費用をかけるに値する面白い映画だと評価してくれることを願っている。音の表現に特に力を入れた作品であるだけに、音の面白さを劇場で存分に味わってほしい」と語っている。
『層間騒音』
10月10日(金)新宿武蔵野館・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国ロードショー