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【インタビュー】“高尚なホラー映画”ばかりじゃつまらない! レトロなハチャメチャパペット映画『フランキー・フリーコ』が生まれた理由

2026.07.05 by

『フランキー・フリーコ』スティーヴン・コスタンスキ監督インタビュー

怪しい深夜CMを見て電話をかけたら、パーティー野郎のクリーチャーがやってきた!? 『ザ・ヴォイド 変異世界』『サイコ・ゴアマン』のスティーヴン・コスタンスキ監督が初めて挑んだパペット映画『フランキー・フリーコ』が現在公開中だ。

昨年しれっと日本に来ていたコスタンスキ監督に、本作について直接お話を聞く機会を得た。なぜ今パペット映画に挑戦するのか? レトロな作風の裏にどんな想いがあるのか? 謎の深夜CMの元ネタは? エヴァンゲリオンのパーカー(結構着込んでいる)をお召しになった素敵なオタクスタイルのコスタンスキ監督に、色々とお話を伺った。

――『サイコ・ゴアマン』の公開の際に日本にいらして、上映館で舞台挨拶やサイン会をしましたよね。日本のファンと沢山接したと思いますが、その時の心境はいかがでしたか?

スティーヴン・コスタンスキ監督:最高の気分でしたね。日本の観客のリアクションと、彼らに受け入れてもらえた様子をこの目で見られて感無量でした。日本のメディアやカルチャーに親しんで育った僕にとって、大きな意味があることだったんです。子供の頃に好きだったものがフィルムメーカーとしての自分を形作っていて、その結果として日本の観客を楽しませることが出来たわけですから。本当に感慨深い体験でした。

――コスタンスキ監督が本作について「この映画はA24のシリアスすぎるホラー映画に対する反論だ!」とコメントされていて。それがすごく可笑しくてワクワクしたんですけれど、その裏にはどういう想いがあったんでしょうか。

コスタンスキ監督:少なくとも北米ではホラー映画は確かに素晴らしいし、僕が好きになる傑作もたくさん公開されています。でも、昔の映画のような多様性ってもう無くなっている気がするんです。子供のころビデオ店のホラーコーナーに行くと、ある棚には『エクソシスト』が、別の棚には『グーリーズ3』が並んでいた。ああいう光景が恋しいんです。

僕は映画にバラエティがほしいんです。今のジャンル映画は……あえてこういう言い方をするけれど、みんな同じ“高尚なホラー映画”というものを追い求めているように感じます。そうした映画も悪くないけど、毎日『ヘレディタリー 継承』を観たいわけじゃない。『ヘレディタリー 継承』を観たかと思えば、『死霊のはらわた』も観たいし、それから『ゴーストバスターズ』や『テラービジョン』を観る日もあってほしい。僕にとっては、何よりもそうしたバラエティがあってほしいんです。

――80年代を思わせる作風が定着していますが、CGをふんだんに使ったリアルな映像に慣れている今の世代にも、過去の映画技術の魅力を伝えたいという想いがあるんでしょうか。

コスタンスキ監督:ホラーであれSFであれファンタジーであれ、ジャンル全般において、本当に成立させるにはリアリティが必要だと思います。若い観客たちはそれを理解していると思いますし、実際、最近の多くの映画ではリアリティを重視する傾向がありますよね。ただ、こういうものは流行の波があるもので、以前はすべてがCG一色だった時期もありましたが、今はその段階を少し脱しているように感じます。若い人たちは“良い作品”がどこにあるかをしっかり見極めていると思うんです。だから、僕のようなスタイルの映画には、このジャンルにおいて常に居場所があるだろうと確信しています。なぜかと言えば、ホラー映画やジャンル映画は昔からそうだったから。常に、実写の特殊効果、実際のセット、本物の俳優が重視されてきました。VFXも確かに使えるツールの一つだけれど、結局のところ実写のリアリティに帰着するのだと思います。

――今回、そういったスタイルの中でもパペットを使った映画に挑戦しようと思ったのは何故だったのですか?

コスタンスキ監督:アイデアの一部は『サイコ・ゴアマン』を作っているときに生まれました。あの映画のクリーチャースーツは本当に手間がかかったんですよ。メイクを施した俳優がスーツの中に入るわけですが、スーツを着せる時間、スーツの手入れをする時間、そして脱がせる時間が必要になります。そこで考えたのが、「パペットを使えばもっと簡単に映画を作れるんじゃないか?」ということ。実際にはまったくそうではなかったんですけどね!

そもそも僕はパペットを使った映画が大好きなんです。現代の映画ではあまり見かけなくなってしまったけれど、あれは一つの芸術様式だと思います。CGでは、映画におけるハンドメイドの質感の代わりにはなり得ない気がするんですよね。だからこそ、昔ながらのスタイルに立ち返りたかった。それに僕はチャールズ・バンドの映画の大ファンでもあります。『グーリーズ』や『パペット・マスター』シリーズ、フルムーン・ピクチャーズ、エンパイア・ピクチャーズの作品をよく観ていました。今回の作品では、そうした映画の技法を再現したかったんです。

――人間にクリーチャースーツを着せるより、パペットを使うほうがむしろ大変だったんですか?

コスタンスキ監督:そうなんです。なにしろ、すべてが初めてだったから。これまでパペット映画を作ったことがなかったので、パペットに命を吹き込む方法を一から学ばなければならなかったんです。アニメーションの作り方やケーブルの仕組み、アニマトロニクス……独学で技術を習得しながら手探りで進めていきました。なので本当に難しかった! 作りながら多くのことを学べたけれど、思い通りにいかないこともたくさんありました。スケジュールもタイトでしたしね。パペットにまばたきをさせたり、目を動かしたりするためだけに、夜遅くまで作業しなければならないこともありました。

――過去のどんなパペット映画からインスピレーションを得たんでしょうか? 好きな映画に使われている技術に挑戦してみることで、新たな発見や感慨はありましたか?

コスタンスキ監督:子供の頃に観ていたパペット映画にはとても影響を受けましたね。『グーリーズ』『グレムリン』『パペット・マスター』、特に『グレムリン2』は今回の作品にとって大きな影響源でしたし、『グーリーズ3』の影響も大きかったですね。実際、クラシックなホラー映画の中でその精神を再現しようとしたという点では、『グーリーズ3』が最も大きな影響を与えてくれたかもしれません。

パペットを使った撮影は、うまくいったときは楽しいし、うまくいかないときは本当にイライラするって感じでしたね。でもセットで撮影している時に、パペットが思いがけない動きをする瞬間は最高でした。パペッティアたちが予想外の動きをさせてくれて、モニターでそれを見ていると笑ってしまうんです。そこには強烈な喜びがあって、苦労するだけの価値があるなと思いましたよ。

――深夜CMの有料電話でフリーコたちがやってくるというアイデアはどこから来たんですか?

コスタンスキ監督:日本にあるかは分からないけど、北米には「1-900」で始まる有料の電話番号があるんです。クレジットカードなんかで料金を支払うんですけどね。多くはテレフォンセックスのようなものだったんですが、なかには占いとか、すごくヘンテコなものもあったんですよ。「あなたの犬が前世でどんな有名人だったか」や、「エルヴィス・プレスリーはまだ生きているか」を教えてくれるとかね。そのなかに、パペットが電話に出て、彼らと話ができるものもありました。「もしその番号に掛けて、電話に出たのが小さなゴブリンみたいなやつだったらどうなるんだろう?」というのがアイデアの原点です。同時に『死霊のはらわた』的な、一人の男がたくさんのモンスターと戦う、閉鎖空間を舞台にしたホラー・コメディを作りたかったのもあります。そこから徐々に発展していってこの映画のプロットが生まれたんです。

――3人のフリーコたちのキャラクターデザインや属性はどういう風にイメージを作っていったんでしょうか。ボインクは特に可愛かったですね。

コスタンスキ監督:シャバドゥー♪(ボインクの真似) 僕がキャラクターをデザインする時は、まずおもちゃをイメージするんです。もし自分が子供だったら、このおもちゃを手に入れたいと思うかどうかをまず考える。ボインクの場合は、メカニックでありながらサイボーグでもあるという感じ。基本的には、それぞれのキャラクターに何らかの特徴や役割を持たせるようにしています。サイボーグ、カウボーイ、パーティー好き、ギャングスタ風のロボット……といった具合にね。それぞれに明確な“売り”があって、それがデザインの方向性を決めているんですよ。

『フランキー・フリーコ』公開中

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