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2015年1月31日に公開が決定した『REC4 ワールドエンド』。シリーズ第一作目『REC』より7年の時を経て、ついにあの恐ろしいシリーズが完結となります。
謎のウイルスに感染し凶暴化した人々の恐怖を描く『REC』シリーズは元々、スペインのパコ・プラサ、ジャウマ・バラゲロの二人が共同監督で作り上げたものでした。1作目・2作目を共同で監督したのち、少しコメディ的な要素も入った3作目『REC3 ジェネシス』をパコ・プラサが監督。そして完結編となる『REC4 ワールド・エンド』をジャウマ・バラゲロが監督、パコ・プラサがプロデューサーを務めています。
最新作の公開が楽しみで仕方がない記者は、パコ・プラサ監督が来日することを聞きつけ、インタビューを敢行! 「あんまり話すとジャウマさんに怒られちゃうから……」ってことで『REC4』のお話は秘密にされちゃったけど、パコ&ジャウマのコンビが作り上げてきた『REC』シリーズの起源をうかがってきましたよ。
公開が待ちきれない諸君、これを読んで『REC』シリーズを振り返りつつ、ワクワクしてお待ちあれ!
『REC』シリーズ パコ・プラサ監督インタビュー
――『REC』を初めて観たときに本当に怖くて怖くて仕方がなくて……。今日はお会いできるのをとても楽しみにしてましたよ!
監督:えへへへ! アリガトー! 光栄です。
――来日は初めてですか?
監督:初めてですね。実は昔、ハネムーンの場所を日本にしたかったほど日本が大好きだったんだけど、そのときは叶わなくて。日本に来るのはひとつの夢だったので、今回の来日は楽しくてしょうがないです!
日本のホラーにハマっているんだ
――そんなに日本がお好きだったとは。
監督:小さい頃から日本人監督の映画をよく観ていたので……小津安二郎、溝口健二、勅使河原宏。日本食も大好きですし……あとはちょうどいま日本のマンガを読んでます!
――どんなマンガですか?
監督:丸尾末広の『笑う吸血鬼』や、駕籠真太郎ですね! 大人になってから知ったんだけど、ハマってますよ(笑)。あとアニメーションの『パーフェクト・ブルー』も観ました。あと日本のホラー映画もハマっていて……黒沢清、三池崇史、園子温監督の『冷たい熱帯魚』とか。
――えええ。次から次へと出てきますね。
監督:今あげた監督の作品は、恐ろしい作品なんだけども、ユーモアを交えているんですね。その点が私の作品スタイルにもすごく合ってると思うんです。スペインで日本の映画は万人に受けているわけではないのですが、先の監督たちは本当に高い評価を受けていますね。
『REC』の起源はパンク・ロック
――『REC』シリーズのお話を聞いていきたいと思います。元々、『REC』シリーズはどういった経緯で作られた作品だったのでしょうか。
監督:当時、僕とジャウマはもっと大掛かりな映画の準備をしていたんです。しかし、ある夏の日に二人でお茶を飲みながら、「映画はもっと短期間で作れないものか?」という話になって。パンク・ロックのラモーンズの曲のように、ジャンジャン!と始まって、バン!と終わる、みたいに、スピード感のあるものを作りたくなった。気心の知れた友人たちと、低予算の映画をつくろうと思ったんです。
――なるほど、『REC』はとても勢いがあってパワフルな作品でしたよね。テレビのドキュメント形式にしようと思ったきっかけはあるのですか?
監督:スペインのテレビには、人の生活にカメラを持ち込んだドキュメンタリーショーがあってね。そこで映しだされることは誰もが真実のように思ってしまう。それがヒントになったんです。もうひとつのヒントは映画『食人族』。食人族たちの棲むアマゾンに若者たちが取材に行き、彼らに食べられてしまう。それが手持ちのカメラに記録されていた、という。観客は、その事件の証人のような気持ちで観られるでしょう?
――確かに『REC』を観たときは、本当にあのアパートで起こっているニュースを観ているような気分になってしまって、とにかく怖かった! そこがとても好きだったんです。
監督:あははは! アリガトー!
大量の血を噴出させたりとかすっごく楽しいよね
――『REC』を観たときに、螺旋階段を使った演出がとても恐ろしくて素晴らしいアイデアだと思ったんです。感染者がこっちに迫ってくるさまがすべて見えているし、その階段の中央を人が落っこちてきたりもする。そういった怖い演出のアイデアってどこから出てくるのですか?
監督:僕は“現実の暗い部分”を見る癖があってね……(深刻な顔) すっごく幼いころから怖がることが大好きだったんですね(笑)。それが活かされてるのかなぁ。
――(笑)。 監督はずっとホラーを中心に撮られていますね。
監督:うん! これからもずっとホラーしか撮らないよ! だってホラー映画を撮るのってすっごく楽しいんですよ。たとえば大量の血を噴出させたりとか、頭を爆発させたりとかさ! 二人でコーヒーを飲んでる様をうまく撮る監督もいるけど、僕はホラーを撮ることで、子どものころの気持ちに還っているんです。小さな子どもに物を与えると、まずバーンと壊して、中を見てみたりするでしょ? ホラー映画の撮影はそういうことを許してくれるからね!
――チェーンソーで人を真っ二つにしたりとかOKですもんね(笑)。
監督:そうそう(笑)! そういうこと!
『REC4』ではPOVを一切使っていない
――『REC』の大きな成功があって、それ以降ホラー映画のPOV作品が増えたように感じますが、影響を感じていますか?
監督:うーん、どうかなぁ。『ブレアウィッチプロジェクト』や『クローバーフィールド HAKAISHA』も影響を与えていると思う。ベルギーの『ありふれた事件』とかもPOV作品だしね。僕らの作品が与えた影響があるとすれば、POVにテレビゲームのような感覚を与えたことかもしれないね。
――パコ監督が手掛けた『REC3』ではPOV演出を冒頭のみにしたことで、ストーリーや演出の幅も広がりましたね。
監督:そうそう。シリーズの1と2を観た皆さんは3を観て意外に感じられたと思うけど、同じことを繰り返すのは避けたかった。1と2で驚いてくれた人は、同じことをやってももう驚いてくれないだろ? もっと新鮮な作品を作りたかったからね。次回作の『REC4』ではPOVを一切使っていないよ。映画はシリーズ化するとどんどん同じようなパターンができあがってしまう。でも私たちは毎回毎回違うものを作りたいんだ。
――『REC4』の内容をちょっと教えていただいても……?
監督:フフフ、最後まで言っちゃってもいい(笑)?
――それは絶対ダメ(笑)!!
監督:私としては、『REC4』は2にちょっと似たテイストかなと思っているよ。アクションムービーの要素が増えたかな。監督してるジャウマがこれに同意するかは分からないけど(笑)。とっても怖いし、とっても面白いから、日本の公開を楽しみに待っていて!
――心から期待しています!!
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映画『REC4 ワールドエンド』
2015年1月31日公開
監督:ジャウマ・バラゲロ
2014年/スペイン/原題:REC4/シネマスコープ/カラー/95分/R-15
公式サイト:http://www.rec4.jp/