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これは、誰もが行きつく先。 ジョージ・A・ロメロ監督が“高齢者虐待”の現実描く『アミューズメント・パーク』衝撃の予告編

2021.07.14 by

この記事は1年以上前に掲載されたものです。


故ジョージ・A・ロメロ監督が1973年に手掛けた幻の未発表映画『アミューズメント・パーク』が、10月15日より劇場公開。これに先駆け、ロメロ監督の命日である7月16日に映画祭「カリコレ2021」にて先行上映される。このたび、本作の恐るべき内容を垣間見られる予告編が解禁となった。

本作は、米国の高齢者虐待問題を容赦なく描いた問題作。もともとは、年齢差別や高齢者虐待についての世間の認識を高めるために、ルーテル教会がロメロに依頼した企画だった。しかし、出来上がった作品は老人の悲惨な状況をあまりにもストレートに描いたもので、その内容に依頼者は慄き封印されてしまったという。ホラー映画ではなく、エンタメ性のある作品でもないが、ロメロの視点で現実を映し出した貴重な作品となっている。

予告編は、「遊園地で老人が罵られ、大変な目にあう」というあまりにも簡潔なあらすじの提示から始まり、そのとおりの本編映像が繋げられていく。

真っ白な部屋のなかで「外は楽しくない」と落胆するボロボロの老人(リンカーン・マーゼル)に対し、きれいな装いの老人(リンカーン・マーゼル)は「自分で確かめる」と言って、意気揚々とドアの外に出掛けていく。そこは、若者たちで賑わうアミューズメント・パーク。混雑の中での移動が困難な老人は、あらゆる場所で邪魔者扱いされ、スリにもあう。人々は老人に厳しい。「誰もが行きつく先」というテロップが、観る者に現実を突きつける。そして、老人の「何も……何も……何もないんだ」という振り絞るような嘆きが、さらなる絶望的な余韻を付け加えている。

『アミューズメント・パーク』
7月16日(金)カリコレ2021にて先行上映
10月15日(金)より新宿シネマカリテにて、ほか全国順次公開
公式サイト:http://garomero.com/

監督:ジョージ・A・ロメロ
出演:リンカーン・マーゼル
1973年/アメリカ映画/53分/原題:THE AMUSEMENT PARK

キングレコード提供 ビーズインターナショナル配給

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