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ソウルに実在する駅を舞台にした日韓合作のホラー映画『オクス駅お化け』が10月6日より公開。脚本を担当した高橋洋のオフィシャルインタビューが解禁された。本作のモデルとなった実際の事件などについて語られている。
本作は、オクス駅で起こった奇妙な人身事故の真相を追う新人記者が、不可解な現象に巻き込まれていくというストーリー。原作は2011発表のホラーウェブ漫画だが、オリジナルの要素が盛り込まれ、構想9年をかけて長編映画化された。『リング』の高橋洋、『アパートメント』のイ・ソヨンが協同で脚本を手掛け、『貞子VS伽椰子』「コワすぎ!」シリーズの白石晃士も脚本協力として名を連ねている。
今回のコメントでは、映画の後半で明かされる事件の真相のモデルとなった実際の事件と、その内容について触れられている。映画自体の直接的なネタバレではないが、まっさらな気持ちで本編を鑑賞したい方は鑑賞後に読むほうがいいかもしれない。
しかし、こんなおぞましい事件実際にあるんだなぁ……。
<高橋洋(脚本) コメント>
本作の後半で明らかになるストーリーは、戦後混乱期の只中に日本の新宿で起きたある忌まわしい事件をモデルにしました。
1948年に起きた嬰児の大量殺人事件「寿産院事件」です。産院というより実質託児所で、産婆資格を持った女性が夫婦で経営しており、お金だけもらって後はもうほとんど放置だったようです。正確な数は定かではないですが100名近い赤ちゃんが亡くなってしまって、陰惨極まりない事件だったんです。助産院で大勢の子どもが産婆によって殺され、養育料の横領や配給品の横流しが行われたおぞましい事件で、当時の日本社会に衝撃を与えた事件でもあります。
僕の場合、脚本で呪いや恐怖の根源をどうやって成立させようか考えているうちに、いつの間にか、社会問題や実際の事件と結びついていくことが多いんです。そうして、映画にしたものには、僕自身にとっても怖さがあるし、それは観客の方にもリアルに届くものだと思っています。これをソウルに置き換えて、オクス駅はもともと埋め立てできた駅だったので、埋め立て前に起きた事件ということにしました。
駅を舞台にしたホラー映画という点では、列車とか地下鉄とか密の中でのワンシチュエーションドラマみたいなものは名作もたくさんあるんですけど、駅を舞台にしたホラー映画というのは実はあまりないんです。それに挑戦できたというのは今までにない新しい体験でした。日本と韓国の合作で、日本人が考えている怖いことと韓国の人が考えている怖いことの融合、ハイブリッドなんでそこを楽しんで頂けたらと思います。ついにそういうことが実現できたっていうのはとても嬉しいことでした。
『オクス駅お化け』
10月6日(金)全国ロードショー