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女と女の争いは何よりも怖い―― かつて“キャリー”を手がけたデ・パルマ監督のヒリヒリする最新作『パッション』

2013.09.19 by

この記事は1年以上前に掲載されたものです。


今年リメイク版も公開されるホラー映画の名作『キャリー』。かつてその『キャリー』を手がけたブライアン・デ・パルマ監督の最新作が、今年10月に公開となる。広告会社で働く女同士の鮮烈な争いと、その先に起こる殺人事件を描いた『パッション』だ。

若くして世界的な広告会社の重役の地位にのぼりつめたクリスティーン。キャリアアップのためなら手段を選ばない彼女は、有能かつ従順な部下のイザベルが考案した斬新なCMのアイデアを横取りし、まんまと社長の信頼を勝ち得ることに成功する。しかし手なずけたはずのイザベルがまさかの反撃に転じたことから、クリスティーンはイザベルへの陰湿な仕返しを始める。精神不安定になり薬に頼るようになったイザベルがバレエを観に出かけた夜、クリスティーンは自宅で死体となって発見されるのだった――。

美しくも妖しいクリスティーンは、自分の利益のために当たり前に人を利用するうえ、真偽の分からない“死んだ双子の姉との悲しい過去”で同情を煽ったり、自分の顔を模した白いマスクを恋人に被せてベッドを共にしたりなど、深さの測れない闇を感じさせる。イザベルへの仕返しが成功し、屈託なく笑顔を見せるクリスティーンはなんとも不気味だ。

また、自分の足場を崩され、壊れて不安定になっていく主人公・イザベルの行動にも、観客には見えない部分が出てくる。観る者が感情移入する先を失ってから明らかになる、クリスティーン殺害事件の思わぬ真実とは……?

ワンシーンワンシーンからヒリヒリとした緊張感を感じるサスペンス・スリラーとなった今作は、一見しただけで強く印象に残るブライアン・デ・パルマ監督独特の映像センスも健在。
この緊張感を是非とも味わってほしい。『パッション』は、10月4日よりTOHOシネマズみゆき座ほか全国ロードショー。






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