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不法移民が体験したNYのおぞましい闇…… 映画『モースト・ビューティフル・アイランド』は現実に着想を得た物語

2019.01.10 by

この記事は1年以上前に掲載されたものです。

映画『モースト・ビューティフル・アイランド』場面写真
ここで私に何かあっても、誰も気に留めない、誰も気付かない――

「現実に着想を得た」という前置きで始まる映画『モースト・ビューティフル・アイランド』は、スペイン出身のアナ・アセンシオが自らの体験をもとに脚本を書き、監督・主演した力作です。

不法移民のルシアーナは「幸せになれる」と希望を持って大都会・ニューヨークに来たはずが、生活に困窮する毎日。まともな職にありつけず、ヘヴィーな日雇い仕事を朝から晩までハシゴ。体調不良で病院に行こうとも「どうせ医療費を払えないでしょ」と冷たく門前払い――。そんななか、移民仲間に「セレブの集まるパーティーにセクシーなドレスで参加するだけで高額な謝礼がもらえる」という仕事を紹介され……。

映画『モースト・ビューティフル・アイランド』場面写真

誰も守ってくれない、見ているだけで息の詰まる不法移民の日常を、手持ちカメラによる映像でドキュメンタリーのように描いていく本作。その先に待っている恐ろしい体験は、果たしてフィクションなのか現実なのか? その境目の危うさが、“普段目にすることのない領域”への恐怖を煽り、ゾッとさせます。

不法移民の日常だけでなく、利己的なセレブたちの歪んだ欲望をも鋭く切り取った本作は、元々女優だったアナ・アセンシオの初長編監督作品。“新たなる才能”と称賛を浴び、アメリカのSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)映画祭では最高位の審査員大賞の受賞を果たしていますよ。

作品概要

『モースト・ビューティフル・アイランド』
【東京】新宿シネマカリテ 2019年1月12日(土)より全国順次公開
【大阪】シネ・リーブル梅田、【名古屋】シネマスコーレ、【京都】出町座、【長野】長野シネマポイントほかにて上映

<ストーリー>
ニューヨーク、マンハッタンのボロアパート。 移民のルシアーナ(アナ・アセンシオ)は、反抗的で生意気な子供のベビーシッティングや露出の激しい衣装をまとった客引きなどで暮らしている。極貧の生活に、疲れ切っていた彼女は、友人のロシア人女性から、高額なお金がもらえるおいしいバイトを紹介される。それは、セクシーなドレスを身に着けパーティーに参加するだけというもの。指定された地下室へと向かうと、彼女のような外国人の美女ばかりが何人も集められ、威圧感のあるマダムが、一人、また一人と得体のしれぬ奥の部屋に彼女たちを呼び込んでいく。不安と恐怖に襲われるルシアーナだったが、不法移民の彼女を助けるものはいない。そんな中、とうとう彼女に声がかかる・・・。

2017年/米国/英語/80分/カラー/ビスタサイズ/映倫:R15+
原題:MOST BEAUTIFUL ISLAND
配給:インターフィルム

監督・脚本:アナ・アセンシオ
製作:アーメット・S・ビルゲン、ホセ・マリア・ガルシア、ギル・ホランド、ラリー・フェッセンデン『ステイク・ランド』『肉』『ABC・オブ・デス2』、ノア・グリーンバーグ/音楽:ジェファリー・アラン・ジョーンズ/撮影:ノア・グリーンバーク『チャンネル・ゼロ』『コイン強盗クラブ』/編集:フランシスコ・ベロ『世界で一番パパが好き』

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映画『モースト・ビューティフル・アイランド』場面写真

映画『モースト・ビューティフル・アイランド』場面写真

映画『モースト・ビューティフル・アイランド』場面写真

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