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『フッテージ』の黄金チームが再集結するスリラー『ブラック・フォン』誕生の裏側 「ブラムハウスが手掛けた中で最もおぞましい作品」

2022.06.17 17:00 by

スコット・デリクソン監督×主演イーサン・ホーク×ブラムハウス・プロダクションズ製作のサイコ・スリラー『ブラック・フォン』が7月1日より公開。その誕生の経緯を製作陣が明かした。

本作は、連続誘拐犯にさらわれた気弱な少年をめぐる物語。妹は兄の身を案じ、自身が持つ予知夢を見る能力でその行方を探そうとする。一方少年は、死を確信する絶望のなかで、自分が監禁されている地下室には断線した黒電話があること、その電話から“死者のメッセージ”が聞こえることに気付く――。イーサン・ホークが不気味に演じるマスク姿の誘拐犯の恐怖と、スーパーナチュラル、サイキックといった要素が同時進行するユニークな一作だ。

惚れ込んだ原作を『フッテージ』のチームで

監督を務めたMCU作品『ドクター・ストレンジ』(16)でも高く評価されたスコット・デリクソン監督だが、ルーツは恐怖映画。2012年に手掛けた『フッテージ』は、あまりに恐ろしい21世紀の傑作ホラーとして広く認知されている。デリクソンは、同作を共に手掛けたC・ロバート・カーギル(脚本・製作)、ブラムハウス・プロダクションズのジェイソン・ブラム(製作)、主演のイーサン・ホークという黄金チームで、もう一度共に作品を作りたいという想いを抱いていた。

更に、デリクソンには長年映画化を検討している小説があった。それは、ジョー・ヒルの短編小説「黒電話(The Black Phone)」(2005年の短編集「20世紀の幽霊たち」に収録)。ジョー・ヒルはホラー小説の帝王スティーブン・キングの子息として知られているが、その素性を明かさずに実力で成功を収めた才能の持ち主だ。デリクソンも何も知らずに短編集を読み、「黒電話」のコンセプトに惚れ込んだのだという。

デリクソンがこの原作の映画化企画を持ち込む先は、ブラムハウス以外には考えられなかったようだ。「“ぜひともブラムハウスにこの作品を製作してほしい”とジェイソンに伝えたんだ」とデリクソン。ブラムハウスは、『フッテージ』がそうだったように、作品を手掛ける監督の創造性を尊重することで、低予算で独自の色を持った傑作ホラーを生み出すことで知られている。デリクソンからの提案に対し、ブラムは粋なリアクションを返した。「彼は返事の代わりに、陳列ケースに入れたダイヤル式の黒電話を送ってきたよ。“これが彼のイエスだろう”って思ったね」

「我々が手掛けた中でも最もおぞましい作品になった」

ジェイソン・ブラムとそのチームは、デリクソンとカーギルの2人と再びタッグを組むことを心から喜んだ。ブラムは「スコットとカーギルは、このジャンルを熟知している。今でも『フッテージ』は、ブラムハウスが作った中で最も恐ろしい作品のひとつに間違いない。だから彼らが『ブラック・フォン』を持ってきたときはワクワクしたよ。ブラムハウスの得意とするモデルにピッタリとはまっていたから、次のプロジェクトにまさに打ってつけだった。実際、素晴らしいものができた。我々が手掛けた中でも最もおぞましい作品になったよ」と自信を見せる。

また、製作総指揮のライアン・トゥレクは、ホラー映画のクリエイターとして最も高く評価されているデリクソンとカーギルについて、「初めて『フッテージ』を見たとき、奔放な想像力を持った誰かが、カメラの後ろからかき乱しているのがわかった。それはもちろん、ホラー映画の作り手として優れた素質だ」と当時を振り返り、「『フッテージ』で、スコットとカーギルは、観客を釘付けにする鋭い感性を持ったフィルムメーカーとしての地位を、ホラー映画というジャンルに確立した。『ブラック・フォン』で、彼らは再び同じことをやってのけた」と称賛している。

映画『ブラック・フォン』
7月1日(金)全国公開

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