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「はい、みんな死んだ」 ティルダ・スウィントン主演の終末世界ミュージカル『THE END』絶望的“避難訓練”映像

2025.12.01 by

ティルダ・スウィントンが主演する黙⽰録的ミュージカル映画『THE END(ジ・エンド)』が12月12日より公開。本作のシュールで絶望的な世界観を切り取った本編映像をご紹介する。

環境破壊で居住不可能となった地球で、医者や執事らを従え、豪奢な地下シェルターで暮らす⺟・⽗・息⼦の一家を描く本作。映像は、そんな一家が行う避難訓練を切り取っている。

避難訓練と言えば、サイレンを合図に避難経路を辿って外へ出るというイメージだろうか。しかし終末世界の避難訓練は超シビアなようだ。指導役からの「90秒後には全焼する」という無慈悲な宣告とともにカウントダウンが始まり、防護マスクをつけた息子が人々の救助と避難に挑む。母と父の一方的な指示や、「お母さん倒れた」「お父さん火だるま」「消化器からっぽ」など秒単位で変化する状況に混乱し、テンパりまくる息子。それでもなんとか家族を助けようとするが、指導役からは淡々と「お母さん死んだ」「お父さん死んだ」「一人残らず死んだ」と絶望的な判定がくだる。つらい……。

母親役のティルダ・スウィントンはプロデューサーも兼任。父親役はマイケル・シャノン。外の世界を知らず、外からの来訪者に心奪われることになる息子役を、『マローボーン家の掟』のジョージ・マッケイが演じる。

地下シェルターで安全に暮らし、絆で結ばれていたはずの一家だが、見知らぬ少女がシェルターに現れたことで日常が一変。抑え込んできた後悔や憤りが⼀家の均衡を乱しはじめる。

監督は、1960年代インドネシアでの大量虐殺を追ったドキュメンタリー『アクト・オブ・キリング』『ルック・オブ・サイレンス』のジョシュア・オッペンハイマー。本作が初の長編フィクション作品となる。

『THE END(ジ・エンド)』
2025年12月12日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開

©Felix Dickinson courtesy NEON ©courtesy NEON