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日本公開なるか? Jホラーの父・鶴田法男監督が手掛けた中国ホラー『ワンリューシュンリン』のゾッとする予告編

2020.11.06 by

この記事は1年以上前に掲載されたものです。

ビデオ映画『ほんとにあった怖い話』でJホラーの基礎を築いた“Jホラーの父”鶴田法男監督が、4年がかりで純中国製のホラー映画『ワンリューシュンリン(原題)』を完成させた。10月30日に中国全土約5000館で公開されたものの、残念ながら日本公開は未定。日本公開への足がかりとして、日本語の翻訳字幕が入った予告編が公開されている。

原題の“ワンリューシュンリン”は、直訳すると“ネットワークのリング”。読むと呪われる小説をめぐる物語だ。

女子大生シャオノー(スン・イハン)の従姉が謎の死を遂げた。警察は自殺と判断したが、そこには呪われたネット小説「ザンセイロウ(残生楼)」が絡んでいた。その小説を読み呪われてしまったシャオノーは、記者志望の男子学生マーミン(フー・ムンポー)と共にその恐怖に挑んでいくが……。

予告編では、シャオノーたちに迫りくる不気味な霊や怪現象、呪いのせいで亡くなったと思しき変死体などが切り取られている。スピーディに畳み掛けられる、美しさと不穏さが同居する恐怖シーンの数々は見ものだ。

原作は、“呪われたネット小説を読んだ者が、小説と同じ死に方で死んでいく”という、人気作家マ・ボヨンによるスリラー小説「彼女はQQで死んだ(原題直訳)」。中国でも『リング』シリーズを始めとするJホラーは人気があるものの、本格的なJホラー演出ができる中国の監督はいないという理由から、鶴田監督に白羽の矢が立った。鶴田監督は中国の作家と共同で脚本も担当。オーソドックスなJホラーでありながら、中国映画らしさも見せる新鮮な作品に仕上げているという。

鶴田監督からコメントも到着。日本とは違う中国での様々な制約に苦しみながらも、「自分のホラー作品の中で最高の1本が完成した」と自信を見せている。Jホラーの父の最高傑作を、どうか日本の劇場でも観られますように。

<鶴田法男監督コメント>
中国映画界から私のようなホラー専門監督に声がかかったことにまずは驚きました。一方で、日本と違って様々な制約がある難しさに大いに悩みました。ですが、喜怒哀楽と同様に、恐怖も人間に必要な感情です。そこには国境も民族もありません。日本生まれの良質な恐怖を中国の皆さんに届けることで、両国の更なる交流のお役に立てるならばと全身全霊で挑ませていただきました。自分のホラー作品の中で最高の1本が完成したと思っています。日本の皆さんにも楽しんでいただける日がくればと願っております。

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