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頭には受信機、指には送信機…… 幻覚に悩まされながら娘を探す男を描く『クリーン、シェーブン』25年ぶりの劇場公開

2021.06.22 by

この記事は1年以上前に掲載されたものです。

『クリーン・シェーブン』ポスター

ロッジ・ケリガン監督が93年に発表した衝撃の映画『クリーン、シェーブン』が、25年の時を経て8月27日より全国順次公開される。

本作は、幻覚や幻聴に悩まされながらも娘を探し続ける統合失調症の男を描いた、哀しく陰鬱なサスペンス。ピーター・グリーン演じる主人公のピーターは、自分の頭に受信機、指には送信機が埋め込まれていると信じている。彼は施設を出所した後、里子に出された娘を探すため故郷に戻る。しかし図らずも幼児殺人容疑で刑事に追われ、その世界は混迷を極めていく。

常に頭の中のノイズに悩まされる哀しき男、ピーター。ただ娘に会いたいだけなのに、周りは彼の行動を理解できない。狂っているのは彼なのか、それともこの世の中なのか。主人公の行動は、計り知れない痛みや切なさ、やりきれなさを感じさせ、観る者の脳裏にこびりつくような衝撃を与える。

本作は第20回テルライド映画祭でのワールドプレミアののち、第11回サンダンス映画祭や第47回カンヌ国際映画祭、ニューヨーク近代美術館でも上映され、錚々たる映画監督たちから絶賛された。『マザー!』のダーレン・アロノフスキーは「圧倒的な表現と誠実さに、完全に打ちのめされた」、スティーヴン・ソダーバーグは「思わず心を引き裂かれる。忘れられない映画体験だ」と評する。そして『ピンク・フラミンゴ』のジョン・ウォーターズは「あなたの精神に永遠に深い傷跡を残すだろう」と鑑賞者に釘を刺している。

解禁されたポスタービジュアルは、劇中の写真を手作業でコラージュし、主人公の混乱と不安を表現したもの。これから始まる苦痛と不穏さをも感じさせるビジュアルとなっている。

『クリーン、シェーブン』
8月27日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開

出演:ピーター・グリーン、ロバート・アルバート、ミーガン・オーウェン、ジェニファー・マクドナルド
監督・製作・脚本:ロッジ・ケリガン 撮影:テオドロ・マニアチ 編集:ジェイ・ラビノウィッツ 音楽:ハーン・ロウ
1993 年|アメリカ映画|79 分|カラー|1.66:1|モノラル|1996 年劇場公開作品|原題:CLEAN, SHAVEN
キングレコード提供 アンプラグド配給 clean-shaven.com

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