この記事は1年以上前に掲載されたものです。
幻覚・幻聴に悩まされながら娘を探し続ける男を描いた93年のサスペンス映画『クリーン、シェーブン』が8月27日より公開。ノイズにまみれた予告編と場面写真が解禁となった。
「自分の頭には受信機、指には送信機が埋め込まれている」と信じている統合失調症のピーターは、施設を出所した後、里子に出された娘を探すため故郷に戻る。しかし図らずも幼児殺人容疑で刑事に追われ、その世界は混迷を極めていく。
本作は日本で96年に公開されて以降、作品全体が放つ疲労感を覚える空気、悲惨さと哀愁が話題となっていた。未だに語り継がれる作品でありながら、近年では観ることの出来ない幻の作品となっており、再公開を希望する声があがっていたという。
予告編は、不快なノイズが全編を覆っており、主人公ピーターの混乱と不安を疑似体験できる作りとなっている。ピーターの望みは“娘に会いたい”というただそれだけのものだが、ふと映し出される少女の遺体や、「こんな夏はもうこりごり 普通じゃないわ」という意味深なセリフが観る者の不安を煽る。ノイズに悩まされ続けるピーターと、彼の行動を理解できない周囲の人々。狂っているのは彼か、世の中か?
『クリーン、シェーブン』
8月27日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開