『ウィッチ』『ライトハウス』のロバート・エガース監督が、『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)に独自の視点を入れて完成させたゴシックロマンス・ホラー『ノスフェラトゥ』が5月16日より公開。本編映像をご紹介する。
不動産業者のトーマス(ニコラス・ホルト)は商談を結ぶためにトランシルヴァニアへと向かい、そこで異様な姿をしたオルロック伯爵と初めて対面する。古い貴族の家柄だという伯爵は、トーマスと新妻のエレンが暮らす街に屋敷を購入したいのだと言う。
解禁された映像は、トーマスがオルロック伯爵と契約を結ぶシーンを切り取っている。物語が動き出す重要な場面でもあるこのシーンでは、オルロック伯爵の姿はほとんど見えず、長い爪と枯れた指先、深く響き渡るような重厚な声と獣のような息遣いが不気味な様相を呈している。わざわざ古びた屋敷を購入しようとする伯爵を不審に思っていたトーマスは、読めない言語で書かれた書類に署名を促され、さらに顔がこわばっていく……。
オルロック伯爵を演じたのは、『IT/イット』二部作のペニーワイズ役の怪演で話題を集めたビル・スカルスガルド。約4時間もの特殊メイクで驚異的な変貌を遂げたビルは、その声にも強いこだわりがあった。ビルはエガース監督からの要求について「“できるだけ人間らしい声に仕上げたい”と言っていた。それは決して容易なことではなかったよ」と苦労を語りつつ、音に編集を加える必要がないほど、完璧で深みのある“オルロック伯爵の声”を作り上げた。
トーマス役のニコラス・ホルトは、「彼がこの役のために作り上げた声を初めて聞いた時は本当に怖かった。とても威圧的で、完璧に作り込まれた恐ろしい声だった。声を聞いた時は感動したけど、近くにいるだけでぞっとしたよ」とその印象を語っている。
『ノスフェラトゥ』
5月16日(金)TOHO シネマズ シャンテほかにて公開