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日本が世界に誇る2大巨頭、『リング』シリーズの貞子と、『呪怨』シリーズの伽椰子が遂に共演・対決する史上最恐プロジェクト『貞子vs伽椰子』。ホラー通信でも様々な情報をお伝えてして参りましたが、いよいよ6月18日より公開となります!
本作でメガホンをとったのは、『コワすぎ』シリーズ等、数々の作品がカルト的な人気を博している、白石晃士監督。山本美月さん、玉城ティナさんを主演に迎え、恐ろし過ぎる世紀の対決を見事に作り上げています。今回の白石晃士監督のインタビューでは、貞子と伽椰子が戦うという“お祭り”に決して逃げない表現の秘訣や、『リング』『呪怨』シリーズについての印象などを伺いました。
―本作とても楽しく、恐く拝見いたしました。予告編等、事前に出ている情報では「貞子と伽椰子が直接対決する!」というテンション高めの印象を受けていましたが、実際に映画を観るとすごく恐くて。
白石監督:プロデューサー陣に「恐くして欲しい」とは言われていました。『貞子3D』がお祭り路線だった事で、『貞子vs伽椰子』もその路線だろうと思われる方が多いと思います。人によってはゲラゲラ笑いながら観る、みたいな。そういう方が観に来て「何これ恐い」となってくれば良いなと思って作りました。もちろん最後には華々しくというか、派手な見せ場を思い切り見せるのが良いバランスかなと。
―特に貞子パートは、これまでの『リング』シリーズと比べて、いくつかルールが変わっていましたね。とても面白かったです。
白石監督:『リング』に登場する「呪いのビデオ」には、たくさんの情報が詰め込まれていて、それを一つずつ解析していくというミステリー要素がありました。でも、本作は謎解き要素を入れる事せず、とにかく呪いのルールをシンプルにしようと。ルールをシンプルにして、貞子と伽椰子の恐さを際立たせたいという思いもあって、この形になっています。
―これまでの『リング』『呪怨』シリーズは、客観的にどうご覧になっていましたか?
白石監督:一歩引いて観ている所はありました。邦画でも昔の『八つ墓村』や『吸血鬼ゴケミドロ』なんかは好きですけど、基本的にアメリカのホラーが好きで観ていた人間なので、近年の邦画ホラーは全然観ていませんでした。『リング』も公開当時は観ていませんでしたし、しばらくしてから観て、今の日本で流行るホラーはこういう事か、こういう見せ方か、と客観的にとらえていました。
―では正直な所、恐いという感情も無く?
白石監督:正直そうですね。僕は作り手なので、もともとあまり恐がらない部分もありますが、恐いというよりも感心しながら観ていました。『リング』は日本に昔からある幽霊の存在を現代風にアレンジした作品、『呪怨』に関してはさらに現代的というか、理論的なオチは無いけれど恐さだけは残るエピソードの積み重ね、構成がすごく斬新だと思いました。後は、貞子は肉体性の薄い霊的な存在で、伽椰子と俊雄には肉体性があって実際に呪いの対象に肉体的な損傷を負わせたりする。俊雄は生死の狭間にいる存在だと感じたので、面白いなと。
―本作で、白石監督が絶対に外したく無かった貞子ポイントと、伽椰子ポイントはありますでしょうか?
白石監督:貞子側に関しては、VHSテープとVHSデッキとVHSならではの映像は絶対に出したいなと思いました。後、プロデューサー陣には井戸を出して欲しいと言われていたのと、歌舞伎の「いよっ! 待ってました!」的なテレビから出る所。伽椰子に関しては、階段から降りてくるのは定番なので、それは外さずに『貞子vs伽椰子』を王道のエンタテインメントとして見せたいなと思いました。
―少し気になったのが、本作の俊雄君はこれまでの俊雄君よりも大きめですよね。
白石監督:オーディションでちょうど良い年齢の子がいなかったんですよね(笑)。それで見つからないままタイムリミットがきて。なので、この子ならギリギリいけるだろうと彼を抜擢しました。これまでの俊雄は子供の可愛さと邪悪さが共存している顔をしていますが、僕はもうちょっとインパクトのある顔の子を使いたかったので。後は演技力ですね。
―貞子と伽椰子も新キャストということで。
白石監督:伽椰子役の方は舞踏家の経験もある方で、オーディションでも実際床を這ってもらったら素晴らしい動きだったんです。貞子は顔が一切出ませんが、とても美人な女優さんで、「貞子を演じたい」という気持ちがとても強くて、立ち姿もピッタリとハマっていたので決めました。
―貞子って、始球式をしたり、ハローキティとコラボしたりと、ポップスター化している部分もあると思うのですが、監督はそういったムーヴメントをどう思いますか?
白石監督:僕は宣伝の手法としてすごく良いと思っています。やっぱり盛り上がりますよね。『呪怨』の劇場版のどれかの時に、俊雄君の等身大人形を劇場に置いたりしていたと記憶してますが、お化け屋敷に行く様な楽しさがありますよね。お化け屋敷に行く感覚でワクワク、ドキドキ劇場に行ったら、映画は本当に恐かったと、そういうのって良いと思いますね。
―映画のラストはもうワクワクを通り越して、テンションがぶち上がってしましました。
白石監督:良かったです! まず自分のテンションが上がる映画にしたいなと思いました。自分がテンション上がらないのなら、お客さんもダメでしょうし。ホラー映画のラストでテンションが上がるというのもおかしな話ですけど、僕はホラーでもホラーじゃなくても、お客さんにテンション上げてもらって帰って欲しいと思っているので。
―皆さん笑顔で劇場を後にするんじゃないかな、と思います。白石監督が本作の様にビッグバジェットの作品を手掛けた事はホラーファンにとって嬉しい事もあり、少し寂しく感じている人もいると思います。今後も自主映画等を撮られる予定はありますか?
白石監督:自主映画は今もほとんど撮っていませんが…、短編はときどき撮ってますんで、そういうことはやると思いますよ。超低予算のシリーズ『超コワすぎ!』も完結させないといけないですし。ただスケジュールは詰まっていて今も色々動いており、お金の良い方を優先する事になるとは思いますけどね(笑)。
―監督のこれからの作品をとても楽しみにしております。今日はありがとうございました!
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