この記事は1年以上前に掲載されたものです。
迷子系気弱ゾンビのわらしべ長者ムービー。だいぶコミカル。
コリンくんは大田区在住の専門学生。最近新歓コンパで知り合った彼女と付き合い始めたばかり。ある日学校を出たらなんと外はゾンビでいっぱい!ルームメイトには噛みつかれちゃうし、目もまわってきたー。自分が自分じゃないみたい!なんだか大変なことになってきたゾ〜♪
そんな感じで始まる本作は、世にも珍しい「ゾンビ視点」で繰り広げられるドタバタコメディ。
ネタバレ禁止!
しかしこう、こういう映画に出会うと、ほんと「ネタバレ」って罪なんだなあって思います。当たり前なんだけど。
ハッキリ言うと、すんげえつまんない映画なの。ゾンビのセンスはほんと30年以上前に大量生産されたうすのろ系ゾンビ映画並。「だがそれがいい」という見方もできるけど、あの「ビヨビヨ〜♪」っていう、うすのろゾンビ登場時にかかるBGMは正に懐古。従兄弟の家で観たゾンビ2(実はドーン・オブ・ザ・デッドの邦題)の時代に逆戻りしちゃった感。
そんなずっこけゾンビムービーが何故か、一部の映画好きから過大ともいえる高評価を得ているのは、その物哀しいオチによるものだろう。
で、何故かこの映画、公開後すぐに話題になったんだけど、あっという間にオチが拡散しちゃったの。なんでかなー?と思ったら配給元がバラしてるの。意味わからん。
もうさ、公式サイトが物語全部バラしちゃってるの。そらあんた一気に陳腐化しますよ。
こういう映画ってシックスセンス並に、みんな空気読んでオチをバラさないもんじゃないかなあ。
駄作の楽しみ方をわかってほしい
90分ぐらいある映画なんだけど、その間ずーーーーっと、うすのろゾンビの遠足見学を強要されるわけですよ。んで、「もう何がしてーんだよこの腐肉!!!」ってなった終盤、腐った死体コリン君の目的が明らかになって、みんな「ジ~~~ン」「なんか・・・ごめん腐肉とか言って・・・。」「だよね!忘れないよね!!」みたいな感じになって、「名作!!!!」ってなるんだと思うんです。
だって、作中それを連想させるような伏線は沢山あるんだけど、最初からコリン君の目的がわかっちゃってると、どれもこれも蛇足で陳腐で安っぽい演出なんです。
「本当の名作ならオチがわかってても面白いもんだ」って反論する人も居るんですけど、僕全く違うと思います。
基本的に「つまらない映画」なんて存在しないと思っていて、あるのは「つまらない観方」だと思います。
金払って楽しむわけだから、「あ、駄作だね♪」って思っても、無理矢理にでも没入するんですよ。登場人物になりきるも良し、間違い探しを楽しむも良し、一人ツッコミに耽るも良し、自分の責任で購入したコンテンツは、楽しみ切るのが大事だと思います。
ということで、このブログが全部の映画に100点付けてるのは、「僕が全部を楽しみ切った」という意味合いもあるのです。
で、映画とかの場合、「知らなかったら名作だったのに!」って事多いと思うんです。
この『コリン』って映画は正にそのたぐい。配給元のPRテキストに踊らされて「ラブストーリー」を期待したカップルは、ガチで作りこまれた内蔵グチャグチャのゴアシーンにドン引きするだろうけどね!
そしてこのエントリー読んじゃった君にとっても『コリン』が駄作になっちゃったね!ごめんね!
あと、大田区云々は全部うそです。
※この記事は「きくちんこ THE MOVIE 観た映画の思い出語る」より転載させていただきました。
http://kikuchinco.doorblog.jp/archives/19208746.html