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スペインで起こった実際の事件に基づく、スペイン・フランス合作の心理スリラー映画『理想郷』(英題:THE BEASTS)が11月3日より公開されることが決定した。併せてティザービジュアルが解禁。「理想だと思った その土地は 地獄でした」という衝撃的なコピーが綴られている。
2022年開催の第35回東京国際映画祭では『ザ・ビースト』の題で上映され、グランプリほか3冠に輝いた本作。『わらの犬』(71)でも描かれた“田舎と都会の対立”を題材に、人間の暗部に潜む“独りよがりな思考”、“憎悪”、“凶暴性”に深く迫る。
フランス人夫婦アントワーヌとオルガはスローライフに夢を抱き、緑豊かな山岳地帯スペイン・ガリシア地方の小さな村に移住する。しかし、地元で生まれ育った村人たちは慢性的な貧困問題を抱えており、穏やかな暮らしとは言えない生活をおくっている。隣人兄弟シャンとロレンソは新参者であるフランス人夫婦をあからさまに歓迎しておらず、彼らに嫌がらせをし始める。兄弟の攻撃は次第にエスカレートし、夫婦が大事に育てていた農作物をダメにしてしまうなど、嫌がらせの範疇を超えるようになっていく。そんななか、村にとっては金銭的利益となる風力発電のプロジェクトをめぐり、村人と夫婦の意見が対立。敵対関係が激化していく……。
監督・脚本を務めたのは、前作の『おもかげ』(19)が高く評価された新鋭ロドリゴ・ソロゴイェン。本作は2部構成となっており、主人公夫婦の夫が主となる第1部は緊張感漂う心理スリラー、妻が主となる第2部では、本作が実はラブストーリーであることが提示される。
夫・アントワーヌを演じるのは、『ジュリアン』(17)、『悪なき殺人』(19)、『苦い涙』(22)の怪優ドゥニ・メノーシェ。妻オルガを演じるのは、『私は確信する』(18)、『ヴィーガンズ・ハム』(21)、『シャーク・ド・フランス』(22)など、コメディからシリアスまでこなす実力派マリナ・フォイス。
『理想郷』
11月3日(金・祝)より、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネマート新宿ほか全国順次公開
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