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ホラー通信

「趣味・人間観察」ってレベルじゃねーぞ! 老人を監禁し楽しむ美女の狂気を描いた『グレイトフルデッド』

国産悪趣味映画 2014.03.04 18:00by


好きで好きで仕方ない人を監禁しちゃいました、その人の人生とか関係ないでーすてへへ☆ ってふざけんなこらー! って観客がやきもきしちゃう、胸糞な映画ってよくありますよね。『そんな映画がまたまた誕生しました。でもあなたが想像してるのって、監禁されるほうが女性でしょ? 『グレイトフルデッド』は、監禁する方が女性なんです。しかも『ミザリー』みたいなおばさんじゃなくて、うら若き美人というからまた驚き。

『グレイトフルデッド』は、ライター活動後、ドラマの脚本家デビューを経て、意欲的に映画製作を続ける内田英治監督が描くブラック・コメディ。「ゆうばり国際映画祭2014」の特別招待作品に唯一インディーズ作品として選出され、上映が行われました。筆者が個人的にゆうばり映画祭で最も楽しみにしていた一作。バッチリ観てきましたので、作品の内容をご紹介します。

『グレイトフルデッド』ストーリー

孤独な老人たちを観察するという趣味をもつ“孤独ウオッチャー”の女。人生に失望し、今まさに孤独死を迎えようとしている老人。そんな2人が繰り広げる破壊力満点の愛憎劇。団塊の世代が続々と高齢化をむかえ、日本はどこの国も経験したことがない高齢社会を迎える。『無縁社会』が話題となり、『孤独死』という言葉が現実となって私たちの前に立ちはだかる。しかし、孤独は何も高齢者たちだけの問題ではない。本作はそんな孤独を抱えたひとりの女と老人の物語である。

新たなホラー・ヒロインが誕生! 瀧内公美のキレキレぶりがヤバい

主演は、オーディションで大抜擢され、鬼気迫る演技を見せた瀧内公美さん。内田監督が「キラキラしてる女優さんばかりの現代でギラギラしている所が良かった」と言うだけあり、とっても美しいのに、とっても頭がおかしい役を熱演しています。

瀧内さん演じる主人公は裕福な家庭で生まれたものの、親からの愛情を受けずに育ち、屈折してしまった女の子。父親の死後、遺産を使いながら毎日遊んで暮らしているのですが、なんせ友達もいないし、お姉さんは嫁いで家を出ているしでとにかくいつも一人ぼっち。

そのうち、街中で孤独な人(通称:孤独っち)を観察する遊びをはじめます。「趣味は人間観察です!」とか言っちゃう若人も真っ青の人間観察ぶり。笹野高史さん演じるお気に入りの老人を見つけたあたりから徐々におかしな方向に物語が進みます。

『グレイトフルデッド』はブラックコメディであってホラー作品では無いのですが、ゴア描写は結構多いです。使う凶器も包丁、ハンマー、塩(!)など身近なものばかり。「美女が包丁を振りかざし、返り血を浴びる」アガるシーンも満載です。

芸歴40年を超える笹野高史が「一瞬、躊躇した」ハードな役柄!

本作で美女に監禁され、とんでもない目に合わされるの老人を演じたのが笹野高史さん。数々の老人役をこなしてきた笹野さんほどの役者さんでも出演に「一瞬、躊躇した」というから、ハードな役柄であったことがよく分かります。

最初は人生を諦め、周りに冷たくあたるだけだった意地悪じいさんだった彼が、敬虔なクリスチャンの女性に出会い、優しい心を取り戻していく変化。そして、イカれた女に監禁され、大切な人を殺され「これは戦争だーーっ!」と反撃に出るシーン。この老人の感情の変化を完璧に演じきっている笹野さんはやっぱりすごい。

ただでさえ天使のキム・コッピちゃんが……!


韓国映画『息もできない』で一躍注目を集めた女優キム・コッピさん。昨年の「ゆうばり国際映画祭」では、ジャパニーズ・スラッシャー・ムービー『クソすばらしいこの世界』に出演し、おバカ大学生たちの旅行に混ざったことで殺人鬼に狙われるとんでもないとばっちりを受けていました。『グレイトフルデッド』でも見事にとばっちりくらってます。ゆうばり国際映画祭はキム・コッピちゃんをいじめるのがそんなに楽しいのか!

本作でコッピさんは孤独なお年寄りを救う為、聖書を読むボランティアを行う敬虔なクリスチャンを好演。深い悲しみを抱える老人の手を握り、優しく語りかける姿は本当に天使。一瞬天使の羽が見えた。

重たいストーリーを吹き飛ばすコメディ演出

超高齢化社会、孤独な老人、親のせいで屈折した女の子……。ととにかく重いトピックばかりが並ぶ本作ですが、鑑賞後の後味は悪くなく、笑えるシーンも。瀧内さん&笹野さんのキレキレ演技はもちろん、キム・コッピさん、矢部太郎さん、酒井若菜さんなど豪華な脇役陣にも注目を。

ちなみに『グレイトフルデッド』は『鉄男』『愛のむきだし』『告白』『下妻物語』などなど多くの日本映画をイギリスで配給してきたサードウィンドウフィルムズが選ぶ2013年邦画トップ10の6位に選ばれたり、テキサスの「Fantastic Fest」、「香港アジア映画祭」での上映など海外からも熱視線。日本公開は未定ですが、ぜひとも劇場公開していただきたいものです!

『グレイトフルデッド』 – ゆうばり国際映画祭
http://yubarifanta.com/films/invitation/63/

映画「グレイトフルデッド」@GreatfulDead1
https://twitter.com/GreatfulDead1

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