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とある13日の金曜日……いつもおだやかな『ホラー通信』編集部に、不審な訪問者がやってきた。なにやらワケありなその男、その外見は3月21日公開のホラー映画『クラウン』に登場する“悲しき子喰いピエロ”にそっくりなのだった――。
『ホラー通信』記者:不審な輩! 何者だ! ぶっ○してやる!
クラウン:お助けください! 私は映画『クラウン』の宣伝をしている者です。この映画は、子どもの誕生日を祝うために着たピエロ衣装が脱げなくなり、衣装が身体と一体化してピエロの怪物へと変貌していってしまう父親が主人公なのです。そして私も、この映画の宣伝のためにピエロ衣装を着たところ、脱げなくなってしまったのです……。
記者:な、なんだってー!!
この宣伝マン・クラウンは、“5つの媒体をまわって映画の宣伝をする”と人間に戻ることができるのだという。『ホラー通信』はその4媒体目。せっかくだから、映画『クラウン』の魅力をどんどん教えてもらおうじゃん!
イーライ・ロスの粋な計らいでフェイク予告編が現実化した映画
クラウン:この映画は、映画学校の生徒が勝手にイーライ・ロスの名前を入れて作ったフェイク予告編が元になっているんです。
記者:その動画観ましたよ! 「Master of horror,Eli Roth」って勝手に入れてましたね(笑)。
クラウン:そうなんです! その予告編がyoutubeにアップされた2日後に、イーライ・ロス本人が「これを本当に映画化しよう」と粋な提案をしたという。
記者:2日後は早くないですか? イーライって暇なのかな?
クラウン:……いや、暇ではないと思いますけど。今作ではイーライ・ロスはプロデューサーを務めていて、フェイク予告編を作った生徒さん自身が監督を務めています。
記者:つまりこれデビュー作なんですよね。でもすごくクオリティ高かったですよね? 今後ホラー映画どんどん撮ってほしいなぁ。
[動画:フェイク予告編版の『クラウン』]
コスプレが一般的になった今だからこそ見てほしい
クラウン:いまコスプレってすごく人気ですよね。ハロウィンなんかもコスプレされる方が沢山いますけど、「それがもし身体と一体化してしまったら」と考えると怖さが実感できると思いますね。
記者:コスプレ、ものすごく一般化しましたよねぇ。ハロウィンで「ウェ~イ!」っつって調子のってる大学生のコスプレが全部脱げなくなったら痛快ですね!
クラウン:大学生、それはそれで盛り上がりそうですけどね……。今作の主人公は、調子に乗ってピエロの格好をしていたわけでもなく、ただ誕生日の息子を喜ばせたくてピエロの格好をした、という設定もすごく切ないんですよね。記者さんは普段コスプレとかされますか?
記者:私はしませんね。今日着けてるジェイソンマスクも普段着ですし。
クラウン:……。
一体化していくシーンがみどころ
クラウン:徐々にピエロ衣装と一体化して“クラウン”になっていくシーンはすごく見どころだと思いますね。狼男をモチーフにした『ハウリング』という映画があるんですが、あの作品へのオマージュなのかな、という部分も感じられます。“クラウン”への変貌も何段階かあって、それも“フリーザ様”の変身のような感じで楽しめると思いますよ!
記者:私はハエ男に変身していく『ザ・フライ』も思い出しましたね。爪がはがれたりして、身体の組織が徐々に変化していく感じ。
クラウン:そうそう。人間に戻れないんじゃないかとハラハラしますよね。最後どうなってしまうのか、是非劇場で観ていただきたいですね。
記者:あと主人公の嫁がちょっぴり“マスクを外したプレデター”に似てるところも見どころですよね。
クラウン:あ、はい(スルー)。主人公が不動産業の仕事していて、自分が担当している不動産に自由に出入りできるんですが、それを映画の中で存分に活用しているのも面白いところなんですよね。自分の隠れ場所にしたりして。そういうリアリティある設定にも是非注目してみてください!
映画の見どころをひととおり教えてくれた宣伝マン・クラウンは、その後、その姿のまま街へと消えていった。果たしてその後人間に戻れたのかは不明である。映画『クラウン』の主人公が元の人間の姿に戻れたのかは、ぜひ映画を観て確かめてほしい。
映画『クラウン』は3月21日より全国公開。どうぞお楽しみに!
映画『クラウン』公式サイト:http://www.clown-movie.jp/