ホラー通信

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バイオレンスCIAがキレる・ラリる! 月面着陸ねつ造コメディ『ムーン・ウォーカーズ』ロン・パールマン インタビュー

2015.11.12 by

この記事は1年以上前に掲載されたものです。

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名監督スタンリー・キューブリックにまつわる都市伝説はいくつもあり、かつて『ROOM237』というドキュメンタリー[記事リンク]が作られたほどですが、その噂のひとつに「かの有名な月面着陸の映像は、キューブリックがねつ造したものなのではないか?」というのがあるそうな……。
そんな噂をベースにしたドタバタコメディを、バイオレンスな味付けサイケデリックな映像美で描いた傑作映画『ムーン・ウォーカーズ』が11月14日より公開となります。

舞台はゴキゲンな60年代を象徴するスウィンギング・ロンドン。主人公はロン・パールマンが演じる、トラウマ持ちの豪腕CIAエージェント・キッドマンです。ベトナム戦争で負った心の傷が癒えない彼は、“死者の幻”と日々戦い続けてしこたま疲れきっておりますが、チャランポランな上司から「月面着陸が失敗したときのために、スタンリー・キューブリックに依頼してねつ造映像を撮ってもらってこい!」という依頼を受けます。しかし、トンデモないドタバタの末、キューブリックへの依頼は未遂に。ルパート・グリント演じる借金まみれの負け犬青年ジョニーと、ドラッグをキメたヒッピーたちと、力を合わせてねつ造映像を作り上げることになってしまうのです……。

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キッドマンはおそろしい“死者の幻”に悩まされていますが、そんな恐怖から自分を守るためなのか、かなり“バイオレンス”なお人柄をしております。ムカつく奴は容赦なくぶん殴り、必要とあらば銃を向け、顔色一つ変えずに頭を吹っ飛ばす。今作の監督は映像プロダクション・パルチザン所属の監督とあって映像が非常に洗練されているのですが、ところどころに挟まる容赦無いゴア描写に思わず目がまん丸になります。スウィンギング・ロンドンが舞台というだけあり、ドラッグ常習のヒッピーたちも多数登場するのですが、“ドラッグによって見える幻覚描写”にも是非ご期待を。怖さと美しさが入り混じるぶっ飛び映像に仕上がっております。

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さてさて、映画の紹介はこのくらいにして、今作でキッドマンを演じたロン・パールマンさんに電話インタビューをおこなってまいりましたので、ぜひご覧ください。バイオレンスなキッドマンとはうってかわって、おっとりとしたナイスガイでしたよ。

ロン・パールマン インタビュー

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――今作はアントワーヌ・バルドー=ジャケ監督の初長編作品だということですが、初長編にしてロン・パールマン、ルパート・グリント主演というのはとても豪華ですね?

脚本がほんとうによく出来ていてオファーを快諾したよ。実際の撮影に入るまで、監督とやりとりをしているうちにすっかり彼のファンになってしまった。この作品が初長編作だってことはすっかり忘れてたね。監督と僕はすごく趣味があった。演じてみて、自分で「今のはよかったな」と思ったら監督も「OK!」と言ってくれる感じ。彼に今後どんなことを頼まれてもすべて引き受けるつもり。なんでもやるよ。

――ルパートとの共演はいかがでしたか?

僕、『ハリー・ポッター』に出てるときの彼しか知らなかったんだよね……。だから“ロン役”のイメージしかなかったんだけど、実際に会った彼はとてもスマートで、リアルで、ファニーな青年だった。お互いに脚本がとっても気に入っていたから、一緒にいい仕事ができたと思う。彼ともまた是非共演したいね。

――今作の基本はコメディですけど、ロン・パールマンさんのどっしりとした重厚な雰囲気とコミカルなシーンが相まって、可笑しさが倍増しているように感じました。

キッドマンっていうのはすごくコミカルな役どころだよね。個人的にそういう役があまりこないので、是非やりたかった。でもね、むかしニューヨークで舞台をやってたころはいつもコメディばっかりだったんだ。スタンダップコメディもやっていたよ。でも僕って、大きくて、ちょっと変わった顔してるだろう? ハリウッドに来てからはそのせいでヘヴィーな役ばかりオファーされるようになってしまった。コメディをオファーされるのはとっても嬉しいことだよ。

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――久々のコメディは難しくありませんでしたか?

ルパート・グリントやロバート・シーハン(偽キューブリックを演じるヒッピー役)をキャスティングしていることから見ても、監督ってとてもセンスがあるだろ? そんな彼が、僕を選んでオファーしてくれたから、とても自信を持って役に臨むことができたよ。

――今作は、キッドマンとジョニーという心の弱いキャラクターが、力を合わせてトラブルを解決することによって自分を開放していくヒューマンドラマの側面も感じます。

キッドマンっていうのは、心の弱さが魅力だと思っている。ベトナム戦争で負った心の傷を抱えてるし、ルパートが演じるジョニーは“ルーザー(負け犬)”だよね。ふたりは成長しなければならないし、この物語のなかで成長を強いられるわけだけど、その過程がとてもユニークだよね(笑)。ラストは、ちょっと感動するだろ? コメディ映画だけど、そこがちょっと“ボーナス”って感じだよね。

映画『ムーンウォーカーズ』は11月14日より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開です。コメディ、バイオレンス、ヒューマンドラマに映像の美しさまで兼ね備えた傑作をどうぞお見逃しなく。

http://moonwalkers-movie.jp/[リンク]

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