この記事は1年以上前に掲載されたものです。
ゾンビの匂い……考えたことなかった……。
映画に始まり、ドラマにゲームにコスプレにとすっかりポピュラーなアイコンとなっているゾンビ。しかしながら彼奴ら、動いてはいるけど死んだ人間ですから、ホンモノはきっと“匂い”があるはず……。そして、忌憚なく言ってしまえばめちゃくちゃクサいはず。
そんな“ゾンビの匂い”が、VRで体験できる時代がくる? そう聞きつけた我々ホラー通信取材班は、アマゾンの奥地……ではなく秋葉原のとあるオフィスへと向かいました。
今回体験するのは、VR体験に匂いを加えるデバイス『VAQSO VR(バクソー VR)』。VRゴーグルの下に装着するごく小さな本体に5種類の匂いカートリッジがつけられ、体験しているコンテンツと連動した匂いが発生するようになっています。
『VAQSO VR』の匂いカートリッジは現時点で15種類。「コーヒー」や「フライドチキン」といった飲食系もありますし、「森」「土」といった自然の匂い。そして「火薬」なんていう戦闘系のゲームに合いそうなものもあります。
<匂いの種類>
■環境系
海、火(火薬)、森(芝)、木、土、
■食べ物/飲み物
コーヒー、ミルクキャラメル、チョコレート、カレー、フライドチキン
■その他
ゾンビ、女性、ミント、ガス、花束
「女性」の匂いも気になるけど、それはさておき。
こちらが実物。VRゴーグルの下にちょこんとついているのが『VAQSO VR』です。すごくコンパクト。『Oculus』や『PlayStation VR』など、様々なVRゴーグルに装着できるんだそうです。
デモコンテンツを試してみます。『VAQSO VR』をつけたVRゴーグルを装着し、手の動きを読み取るコントローラーを両手に持って……
おっ 目の前に桃がありますよ
手にとって、鼻に近付けると……
「桃の匂いだー!」 思わず微笑んじゃう。
単一の匂いがするだけでなく、VRの中でコーヒーにキャラメルを入れるとキャラメル・マキアートのような匂いがする、という合わせ技も可能でした。なんかいろいろ可能性を感じるなぁ。
ハッ 散々楽しんでしまいましたが、本題のゾンビの匂いは……
デモコンテンツがまだないそうなので、匂いだけ嗅がせてもらいましたよ。
……
「くっ……」
「くっさ!!」
「くっさ!!!!!!」
いや、予想はしてた。完全に予想はしていましたがクサいです。例えるなら“殺傷能力の高い生ゴミ”。さすがに死後直後のゾンビからは死臭はしないでしょうから、死んでしばらく経って腐り始めたゾンビといったところでしょうか。この臭いを放ちながら近寄ってきたら近親者のゾンビでも迷わず撃ち殺すレベル。『ウォーキング・デッド』の世界とかニオイやばそうだな……。
こちらが、『VAQSO VR』を開発したVAQSO Inc.のCEO、川口健太郎さん。ご自身で調香されることもあるんだとか。
ゾンビの匂いをVRコンテンツで活用するなら、ゾンビ・サバイバル・ゲームの中でプレイヤーが匂いによってゾンビが近くにいることを察知し即座に攻撃、といったことができるかも、とのこと。「森」とか「海」とか、場所にまつわる匂いと組み合わさると臨場感も増しそうです。嗅覚も活かしたゲーム、絶対に楽しいぞ……。
はてさてそんな『VAQSO VR』ですが、2018年11月21日に開発者向けの『VAQSO VR(Dev kit)』が発売されたばかりの段階だそう。つまりこれから『VAQSO VR』を使った匂い付きVRコンテンツがどんどん生まれていくということ。この記事をお読みのVRコンテンツ製作者の方はぜひ“ゾンビ臭”のするコンテンツの開発をお願いいたします!
コンシューマー(消費者)向けの『VAQSO VR』が発売されるのは2019年ごろとのことでした。楽しみですねえ。
『VAQSO VR』公式サイト:https://vaqso.com/
製品名:VAQSO VR (Dev kit) ※開発者向け商品
本体サイズ:H 30 × W 147 × D 83 mm
本体重量:125g (カートリッジ無し)
接続端子:Micro USB
カートリッジ最大取付数:5
匂いの持続期間:約3日(使用環境により変動) *匂い補充ツール付属
販売価格: $999(税別)、送料一律 $10
発売日:2018年11月21日(日本時間)
購入先:VAQSO オンラインサイト
同梱物:VAQSO VR (Dev kit) 1台、カートリッジ 5個、匂いリペアボトル 5個
<撮影およびモデル:オサダコウジ>