映画関係者・著名人の皆さんにホラー映画のオールタイムベスト3作品をうかがっていく「ホラー通信」恒例企画です。
今回は、人間狩りを趣味とする億万長者とそれを取り巻く社会を描いたブラックな作品『我来たり、我見たり、我勝利せり』が公開中のダニエル・ヘースル、ユリア・ニーマン監督にお伺いしました。ダニエルさんからは「そこまでホラー映画のファンではないんだ。“現実の恐怖”を描いた作品のほうに関心があって……」との回答をいただきましたので、ユリアさんのベスト3(+1)をお届けします。
人生のホラー映画ベスト3 ユリア・ニーマン編
・『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999) 監督:ダニエル・マイリック、エドゥアルド・サンチェス
・『SKINAMARINK スキナマリンク』(2022) 監督:カイル・エドワード・ボール
・『シャイニング』(1980) 監督:スタンリー・キューブリック
・次点 『リング』(1999) 監督:中田秀夫
<コメント>
ホラー映画大好きです! 私がホラーに目覚めた最初の作品は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』でした。当時はインターネットがそれほど身近でなかったし、私もまだ若かったので、あれは本当の映像だと信じていたんです。そして次に『SKINAMARINK スキナマリンク』。これは、何も起こらないことによって最大限の効果を生み出した、とても特別な映画だと思います。3つ目は……『シャイニング』かな。ジェットコースターみたいに楽しませてくれるホラーもいいけれど、それ以上のものがある映画が好きです。『シャイニング』はまさにそんな映画の一つで、人間の精神の奥深くまで入り込み、人間性についてもっと深く教えてくれる、本当に完成度の高い作品です。……ああ、そうだ。『リング』も入れておけばよかった! 若い頃、ハリウッドリメイク版の『ザ・リング』を観て衝撃を受けたんですが、数年後にオリジナル版を観たら、もっとすごかった。これもジェットコースター的な脚本ではなく、もっと深いところの恐怖、当時のテレビやインターネットのようなテクノロジーがもたらす恐怖が描かれていると感じました。
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映画公式サイト:https://hark3.com/vvv/