この記事は1年以上前に掲載されたものです。
11月22日より公開となる映画『ブラック・ハッカー』。
大好きな女優とディナーを共にできる権利に当選したブロガーのニック(イライジャ・ウッド)が、彼女のマネージャーを名乗る男に導かれるままパソコンで上で“あるリンク”をクリックし、女優のプライベートを覗き見てしまったことから、想像を絶する事件へと巻き込まれていくスリラーです。
今作を手がけたナチョ・ビガロンド監督のインタビューが到着しています。
今作の特徴は、物語が全て“パソコンの画面上”で展開するということ。「プロデューサーたちに、インターネットがスクリーンで重要な役割を果たす映画を作るよう依頼されたんだ」という監督。観客がインターネットを使って自分のパソコン上で事件を見ているかのような気分になる斬新な作品を作り上げました。
サーシャ・グレイ演じる女優・ジルは、ハッカーによってプライベートを監視され、更にはビデオチャットで“脅し”を受けます。それにニックは手を貸すこととなってしまうのです。
「僕がやりたかったことのひとつは、危険にさらされている若い女性を登場人物として使うことだった。それは古くからの伝統だが、僕は今までとは違う、もっと想像力に富んだ方法で使おうと思ったんだ」
近年、ハッカーによって女優や歌手などのプライベートなヌード写真が大量にリークされる事件もありました。スマートフォンやパソコンなど、とてもプライベートなものがネットワークにつながっていることで事件が起こってしまう現代について、ビガロンド監督は、
「今の状況はエキサイティングだけど、倫理観はいつもクリアな訳じゃない。例えば有名女優のプライベート写真が流出した時、流出は被害者自身の責任だと、指摘する一部の人々や、一部のメディアさえあった。とても悲しいことだ」とも語っています。
「観客には、はらはらして驚いてほしいね。映画が観客の心にいきいきと残って、見た後も映画について話し合ってもらいたい。映画を楽しんでもらって、いろんな議論が広がることを期待しています」と観客へのメッセージも。
“つながりすぎる”現代への問題提起とも言えそうな映画『ブラック・ハッカー』、11月22日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開です。