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『2001年宇宙の旅』(68)『時計じかけのオレンジ』(71)『フルメタル・ジャケット』(87)といった幾多の伝説的な名作を遺したスタンリー・キューブリックは、言わずと知れた20世紀最高の巨匠のひとり。ホラーファンならば真っ先に『シャイニング』(80)が思い浮かぶのではないでしょうか?
そんな『シャイニング』を徹底検証する、独創的なドキュメンタリー『ROOM237』が2014年1月25日(土)に公開決定!
ホラーの枠を超えて多くのアーティストに影響を与えた『シャイニング』ですが、この映画には未だ答えがはっきりしない謎、一般的に認知すらされていない謎が数多く残されています。世界中のファンと同様にその謎に取り憑かれた新進映像作家ロドニー・アッシャーが手がけた『ROOM237』は、まさに『シャイニング』のあちこちにこびりついた奇怪なミステリーの解明に挑んだ異色作です。
『シャイニング』は作家のジャック・トランスとその妻ウェンディ、不思議な超能力を持つ幼い息子ダニーが、コロラド州のロッキー山脈にあるオーバールック・ホテルを訪れるところから始まります。彼らはホテルが閉鎖される冬の間、ここに管理人として滞在することになったのだ。ところが先住民の墓の上に建てられたホテルの邪悪な力に魅入られたジャックは、斧を手にしてウェンディとダニーに襲いかかり……。
リゾートホテルを呪われた迷宮に見立てた『シャイニング』を多角的に解明する本作は、筋金入りのキューブリック研究家たちのコメンタリーとともに進行。ビル・ブレイクモア(ジャーナリスト)、ジェフリー・コックス(歴史学者)、ジュリ・カーンズ(作家)、ジョン・フェル・ライアン(ミュージシャン)、ジェイ・ウェイドナー(作家、映画製作者、神秘学者)。以上の識者5人が斬新かつユーモラスな極私的『シャイニング』論を披露し、映画を読み解く魅惑にどっぷりと浸らせてくれます。
タイトルになった“237号室”とは、主人公ジャックが腐敗した老婆の幽霊と出くわす客室のことで、『シャイニング』に渦巻く魔力を象徴する部屋を示している。ちなみにS・キングの原作での部屋番号は<217>で、キューブリックはあえてルームナンバーを<237>に変更した―。目から鱗の“真実”からマニアも唖然の“珍説”までぎっしりと詰め込まれた本作は、あらゆる映画ファンの知的好奇心を刺激します。
映画『ROOM237』は2014年1月25日(土)シネクイント他全国順次公開。