一冊の本から始まり、80年代北米を襲った“悪魔”に関する大パニック(サタニック・パニック)と、その背後にある真実に迫るドキュメンタリー『サタンがおまえを待っている』(原題:SATAN WANTS YOU)が8月8日(金)より公開されることが決定した。
1980年にミシェル・スミスという女性とその精神科医ローレンス・パズダーによる共著として出版され、アメリカで大ベストセラーとなった書籍「ミシェル・リメンバーズ」。『エクスシスト』や『オーメン』の大ヒットにより、世の中でオカルトや悪魔に対する注目が強まっている時期、ミシェルは退行催眠のようなセラピーによって、禁断の記憶の蓋を開ける。それは5歳の頃に悪魔を崇拝する教団に引き渡され、儀式に捧げられたというものだった。その詳細を綴ったおぞましい内容は、テレビでも多数取り上げられ、大きく拡散されていく。これをきっかけに、「私も幼い頃に儀式に参加させられた」という告発が続出し、“サタニック・パニック”と呼ばれる大混乱が巻き起こるのだった。それは”現代の魔女狩り”とも言われ、数々の事件を引き起こし、警察・FBI・学者なども巻き込んでアメリカ全土を恐怖に染めていく。
スティーヴ・J・アダムズ&ショーン・ホーラー監督コンビが客観的な視点で事態を掘り下げる本作では、「ミシェル・リメンバーズ」著者2人の親族が出演し、生々しい証言を連発。サタン教会のブランチ・バートンや当時を知るFBI捜査官などにもインタビューを敢行。数々のアーカイブ映像など膨大な情報量を盛り込みながら、テンポの良い巧みな演出で観客を予想だにしないエンディングへと連れていく。
ティザー映像には、カセットテープから流れるミシェルとローレンスのセラピーの音声が。なかなか壮絶なので音にご注意。
『サタンがおまえを待っている』
2025年8月8日(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督:スティーヴ・J・アダムズ、ショーン・ホーラー
登場人物:ミシェル・スミス(悪魔的儀式虐待被害者/「ミシェル・リメンバーズ」著者)※アーカイブ映像
ローレンス・パズダー(精神科医/「ミシェル・リメンバーズ」著者)※アーカイブ映像
アントン・ラヴェイ(サタン教会創始者)※アーカイブ映像
ブランチ・バートン(サタン教会)
チャールズ・エニス(バンクーバー警察)
ケン・ラニング(FBI特別捜査官)
サラ・マーシャル(配信者)
ロフタス博士(記憶科学専門家)
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