この記事は1年以上前に掲載されたものです。
抑圧された少女の戦慄のドラマを描く、フィンランド発のホラー映画『ハッチング―孵化―』が4月15日より公開。本編の冒頭映像が解禁となった。
冒頭のシーンは、傍目からは“完璧”に見える主人公一家に、やがて訪れる悪夢のような運命を示唆している。
緑に囲まれた閑静な住宅街にある、美しく洗練された家で暮らす少女ティンヤとその家族たち。母親は、仲睦まじい家族の日常を動画で撮影し、ネットで発信することに夢中な様子だ。しかしそこへ、一羽の黒い鳥がリビングに飛び込んでくる。室内を飛び回る鳥によって、美しいインテリアは次々と破壊され、家族からは笑顔が消えてしまう。暴れまわる鳥を誰も止めることが出来ず、“完璧な家族”の日常は一瞬にして脆くも崩れ去る。
フィンランドでは黒い鳥は不吉な存在とされているのだそうだ。本作を手掛けたハンナ・ベルイホルム監督はこのシーンについて、「これから作品の中で描こうとする物語をギュッと濃縮したようなものにしたいと考えていた」という。また、この作品について「ホラー映画を撮りたかったというわけではなく、大人のためのファンタジーとしてこの物語を描くのにホラーの手法を使った。明るく美しい環境下で起こる恐怖を表現したかった」と明かしている。
『ハッチング―孵化―』
4月15日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ他にて全国順次ロードショー
© 2021 Silva Mysterium, Hobab, Film i Väst