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ホラーとテクノロジーを組み合わせた戦慄のホラー企画を続々と発表し、世間を賑わせているホラテク集団・株式会社闇(※実際の社名です)が、観覧車をホラー仕様にプロデュース。夏季限定のホラーアトラクション『血バサミ女の観覧車』を体験して参りました。
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実施されているのは東京『パレットタウン大観覧車』、福岡『マリノアシティ 観覧車 スカイホイール』。今回お邪魔したのは、東京・お台場の『パレットタウン大観覧車』です。ゆりかもめの青海駅か、りんかい線の東京テレポート駅からすぐです。
明るい時間だとこんな感じ。怖いイメージは皆無です。
パレットタウンはショッピングモール『ヴィーナスフォート』やトヨタのショウケース『メガウェブ』などを含む複合施設。大観覧車の乗り場が分かりづらいらしく、観光客の方に場所を聞かれましたが、観覧車の受付はパレットタウンの2階です。道に迷って体力ロスすると健康を損なう暑さなので気をつけて。
乗り場に近付くとピースフルな雰囲気の観覧車におおよそ似つかわしくないポスターが掲示されております。
ゴンドラは全部で64台ありますが、ホラー仕様になるのは2台限定。また、これは大きな注意事項なのですが、今回のイベントに関してはゴンドラの定員が2名のため、3人で来ると1人あぶれます。じゃんけんで負けた人が1人で乗るとか、もういっそ全員1人で乗るとか、平和に解決してください。
開催時間は20~22時ですが、18時30分から当日分の整理券を配布しています。ゴンドラの台数が限られているのでうっかりすると乗れない可能性もあります。お早めに整理券を手に入れてください。
整理券を手に入れたら、開始時間までヴィーナスフォートでお買い物やお食事を楽しむといい感じに時間が潰せます。涼しいのもありがたい。
いよいよホラー観覧車に搭乗
今回体験したのはホラー通信ライターの筆者とガジェット通信スタッフの2名。2名ともそこそこ、いやだいぶ怖がりです。怖いもの見たさで来ました。
該当のゴンドラがすぐ来てしまったので撮影できませんでしたが、普通のゴンドラが並ぶ中に血の手形がついているゴンドラが突如現れるため一目瞭然です。普通の観覧車に乗りに来た無邪気そうな少年が偶然目にし、「なにあれ、血がついてる!」と叫んでいました。君は何も知らなくていいんです。
あくまで平常心な係員さんが「こちらへどうぞ」と案内してくれますが、案内された先のゴンドラ内は入るのを躊躇するレベルで内装が凄まじいことになっています。むしろ係員さんの平常心が怖い。
写真は一部分ですが、ゴンドラ内は不気味な写真で埋め尽くされ、不穏なぬいぐるみやカーテンなどで飾られています。全貌は実物を見てください。ゴンドラが来たときの“ギョッ”とする感じを是非味わっていただきたいです。
天井には御札が貼ってありました。こわ。外が明るいですが今回は開始時間前に体験したためです。実際の時間にはもっと暗くなっているはずです。
ゴンドラ内に搭乗したら、前もって渡されているヘッドホンをプラグにさし、装着して待ちます。つけた瞬間になにか喋り出すので「もう始まんの!?」と心臓が飛び出すほどビビりますが、「始まるまでお待ちください」というようなアナウンスなのでまだビビらなくて大丈夫です。しかし、ヘッドホンは早めにつけておく必要があります。その理由は体験してみてからのお楽しみです……。
ヘッドホンの立体音響と、窓に映し出されるプロジェクション、そして振動するシートによってあなたは恐ろしい体験をするのです。ゴンドラが上がってくるといよいよ物語が始まります。
あなたが乗っているゴンドラは、「観覧車で好きな人と手を繋ぐと永遠に結ばれる」というジンクスを信じるストーカー女性が、振り向いてくれない最愛の人と乗り、ハサミを使って無理心中を図ったゴンドラである……ということが語られます。血バサミ女は怨霊となって、愛しい人の霊とゴンドラ内にとどまり続けているのです。怖がりの方はこのあたりで「なんで乗っちゃったんだろう」という気持ちが湧いてくると思います。後悔してももう降りられないので耐えるしかないです。
何も知らずずけずけとゴンドラに乗ってきたあなたは、血バサミ女にとって邪魔者でしかありません。この先一体どんなことが起こるのかはここには書けませんが、立体音響によって、この狭い空間の中で血バサミ女がすぐ背後にいる感覚を味わえます。ゴンドラのイスに座っているので“背後”はゴンドラの壁のはずなのですが、たしかに“背後にいる”のです。自分の耳が憎い。思わず何度も振り向いてしまいます。でもそこには…… アッ。
「狭い空間だからあまり恐ろしい仕掛けはないだろう」と思うのですが、夜間のため、ゴンドラ内は薄暗くて視界が悪いです。狭い空間の閉塞感もあって、どんどん精神的に追い詰められてきます。予想だにしない何かが起こるかもしれない――想像力が自分の首を絞めます。
……とその時、まさしく予期せぬことが起こり、乗っていた筆者とスタッフはあわてふためくことになりました。
「え!?」「嘘でしょ!?」 ゴンドラ内に動揺の叫び声が響き渡ります。何が起こるのかは教えてあげません、みなさんも筆者と同じ恐怖を味わってください……。
観覧車で味わうホラーアトラクション、外の景色によって“あとどれくらいで終わるのか”が分かることは怖がりへの救いかなと思っていたのですが、大観覧車だけあり、驚くほどゆっくりに感じます。というかむしろ止まって見えます。「これ、ビビらせるために一時的に止めてる?」とすら思ったのですが2台以外は通常運行のはずなのでそれはなさそう。本来ならば長く乗れるほど嬉しいはずの観覧車で「早く回り終えてくれ!」と思うのは初めての体験でした。
同乗したスタッフは「観覧車自体にそもそも高所の怖さがあったけど、アトラクションが恐ろしすぎて高所の怖さは感じずに済んだ」と語っていました。お腹が痛すぎて頭痛が分からなくなった、みたいな話ではありますが両方痛いよりかはマシかもしれません。
しかし本当に怖かった。株式会社闇の広報さんは「怖さは控えめなほうですよ」とおっしゃっていました。何が怖いって株式会社闇が一番怖い。みなさんも酷暑の夏、観覧車でぜひゾワッとしてください。
開催概要
『血バサミ女の観覧車』
開催期間:7月14日〜9月2日
東京「パレットタウン大観覧車」
利用料金:大人1,000円、小学生以下500円(通常の観覧車の料金で乗車が可能)
住所:〒135-0064 東京都江東区青海1-3-10
TEL:03-5500-2655
営業時間:20時〜22時
※通常の観覧車は10時〜22時(最終搭乗)まで
福岡「マリノアシティ 観覧車 スカイホイール」
利用料金:大人500円、小学生200円、小学生未満無料(通常の観覧車の料金で乗車が可能)
住所:〒819-0001 福岡県福岡市西区小戸2-12-30マリナサイド北棟2F
TEL:092-891-559
営業時間:20時〜22時45分
※通常の観覧車は10時〜22時45分(最終搭乗)まで