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今年で9回目となる映画祭「夏のホラー秘宝まつり2022」が、8月12日より開催されることが決定した。東京・名古屋・大阪・京都の4都市7劇場で同時に行われる。東京会場は、昨年のキネカ大森、アップリンク吉祥寺に加え、ヒューマントラストシネマ渋谷が新たに加わる。
今回の目玉となるのは、イタリアンホラーの巨匠、ルチオ・フルチ監督のスプラッター・マフィア映画『野獣死すべし』(80)のスクリーン初上映。新旧犯罪組織の抗争を、フルチ監督らしい人体破壊描写をまじえて描く。本作の上映にあたり、映画評論家・高橋ヨシキ氏が本作の推しポイントを熱く語るコメントも到着している(記事末に掲載)。
このほか、ルチオ・フルチ監督の厳選7作品のアンコール上映、過去の開催で反響の大きかったマリオ・バーヴァ監督作品のアンコール上映、『バスケットケース』『ファニーゲーム』『四匹の蠅』などの名作・傑作を6作品上映する。
<上映ラインナップ>
◆スクリーン初上映
『野獣死すべし』
◆ホラー秘宝 レトロスペクティブ
・ルチオ・フルチ監督特集
『ビヨンド《4K レストア版上映》』
『地獄の門 《4K レストア版上映》』
『墓地裏の家 《4K レストア版上映》』
『ルチオ・フルチのザ・サイキック』
『マンハッタン・ベイビー』
『ルチオ・フルチのマーダロック』
『サンゲリア2』
・マリオ・バーヴァ特集上映
『血ぬられた墓標』
『モデル連続殺人!』
『呪いの館』
『白い肌に狂う鞭』
『血みどろの入江』
『ブラック・サバス 恐怖!三つの顔』
・名作・傑作ホラー
『バスケットケース』
『悪魔の墓場』
『ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖』
『ファニーゲーム』
『四匹の蠅』
『宇宙からのツタンカーメン』
<高橋ヨシキ氏 『野獣死すべし』推薦コメント>
ナポリの密輸マフィア対フランスの麻薬ギャングの、文字通り血で血を洗う抗争を描いたルチオ・フルチ版『仁義なき戦い』とでもいうべき作品である。もちろん、フルチのトレードマークともいえる残酷描写も大盤振る舞い。物語が進むにつれて残虐度がどんどんと増していく、血まみれローラーコースター・ライドとしての側面もある。一方、謀略と裏切り、怒りと愛と復讐が交錯する物語は堂々たるマフィア映画の風合いを感じさせる。実際にナポリの密輸マフィアが製作に協力したことで醸し出される異様な迫力も特筆に値する。冒頭を飾る、圧巻のボート・チェイスに登場する高速ボートは密輸団が使っている本物なのだそうだ。愛するナポリをフランスのギャングに蹂躙されてたまるかと、引退した老マフィアが次々と立ち上がるクライマックスは本当に熱い! 魂を揺さぶるフルチ一世一代のギャング映画を見逃すな!
「夏のホラー秘宝まつり2022」
■料金:一般 1500 円 ※各劇場のサービス適用
■劇場一覧
・東京
キネカ大森:8月12日(金)~9月1日(木)
アップリンク吉祥寺:8月12日(金)~9月1日(木)
ヒューマントラストシネマ渋谷:8月12日(金)~8月25日(木)
・名古屋
シネマスコーレ:8月
・大阪
第七藝術劇場 :8 月 13 日(土)~
シアターセブン :8 月 13 日(土)~
・京都
アップリンク京都 :8 月 12 日(金)~9 月 1 日(木)
※東京は『野獣死すべし』をヒューマントラストシネマ渋谷にて、「ホラー秘宝 レトロスペクティブ」19 作品をキネカ大森、アップリンク吉祥寺にてそれぞれ上映
※大阪は『野獣死すべし』を第七藝術劇場にて、「ホラー秘宝 レトロスペクティブ」19 作品をシアターセブンにて上映予定
※名古屋のシネマスコーレ、京都のアップリンク京都では全 20 作品を上映