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昔ながらのホラーが好きさ。 『アンティル・ドーン』サンドバーグ監督、実写撮影のこだわりをニコニコ顔で語る

2025.08.13 by

『アンティル・ドーン』

うれしそうなサンドバーグ監督を見てほしい。

激レアな生存ルートを見つけ出すまで、様々な怪異に殺される“一夜”を繰り返すタイムループ・ホラー映画『アンティル・ドーン』が現在公開中。ホラーを愛してやまない製作陣が、実写撮影のこだわりを語るメイキング映像が公開されている。スタッフの証言とともにご紹介する。

デヴィッド・F・サンドバーグ監督(『ライト/オフ』『アナベル 死霊人形の誕生』)は、ヒーロー映画『シャザム!』2作を手掛けたのち、本作で念願のホラーへ回帰。しかも本作はその特殊な物語上、ホラー映画何本分もの恐怖シーンが盛り込まれている。サンドバーグにとっては“楽しい部分”がいっぱいというわけだ(もちろんホラー映画ファンにとっても)。

映像に登場したサンドバーグは、「昔ながらのホラーが好きだ。だから可能な限り実写にこだわった」とニコニコ顔で説明。モンスターの特殊メイクをほどこされるアクターたちや、ぶっ飛ばされて空中を飛んだり血まみれになったりするキャストたちの様子も映像で見ることができる。脚本のゲイリー・ドーベルマンは実写撮影のおかげで「すごくリアルで恐ろしくなった」と語り、サンドバーグは「目の前にモンスターがいると俳優も楽しい」と付け加える。でも、いちばん楽しそうなのはサンドバーグ監督な気がする。

本作には、ホラージャンルの最前線で活躍する精鋭スタッフが集結。CGに頼りすぎることなく、特殊メイクや物理的な仕掛けでリアルな恐怖を作り上げていった。

“できる限り実写で撮影する”というサンドバーグの撮影方針は、もちろん楽しいばかりでなく、困難が伴う。「それを承知の上で歓迎した」と証言するのは撮影監督のマキシム・アレクサンド。「登場人物たちの身体は絶えず変化しますが、すべて実写です。誰かの喉を切るときにもプラクティカルエフェクツ(特殊メイクやワイヤーアクション、天候や自然現象の操作などを行い、実際に撮影現場で物理的に撮影する方法)を使っています」と、バリエーション豊かな“殺され方”も実写で撮影されていることを説明する。

死んで一夜が終わるたびに“殺される前の時間”にリセットされる物語では、主人公たちは同じ服装で死を繰り返すことになる。しかし、身ぎれいな状態でリセットされるわけではなく、繰り返す“死”に蝕まれ、見た目が少しずつ変化していくのだ。

衣装デザイナーのユーリア・パトコーシュは、各衣装につき複数枚を用意しなければならなかった。彼らが殺された際の明らかな痕跡は衣装からなくなっているが、徐々に劣化していっていることを表現するためだ。「結局一つの衣装につき、10から20のバージョンを作りました。観客の目にはほとんどわからないほど微妙な違いなので、かなり苦労しました」。

スタッフたちの繊細な技術が、サンドバーグ監督のこだわりを強力にサポートしている。細部にまで宿ったホラー映画のマジックを、スクリーンでお確かめあれ。

『アンティル・ドーン』公開中

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