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不気味な一軒家で怪異に襲われ…… ホラー映画『ミンナのウタ』✕オバケンの謎解きお化け屋敷「呪われた旋律」レポート

2023.08.04 by

この記事は1年以上前に掲載されたものです。

“呪いのメロディー”をめぐる、清水崇監督のホラー映画『ミンナのウタ』(8月11日公開)と、オバケンの常設お化け屋敷「畏怖 咽び家」がコラボした「呪われた旋律」が8月14日までの期間限定で開催中。取材班による体験レポートをお届けする。

東京・方南町にある古民家を会場にした「呪われた旋律」は、没入型かつ謎解き要素のあるお化け屋敷だ。映画の世界観に準じたストーリーのなかで、参加者は登場人物になりきってキャストと共に行動し、家の中を探索しながら謎を解いてクリアを目指す。公演は約75分とたっぷり。

ストーリーを要約するとこんな感じ。

あなたはラジオ局で働く職員。同僚の柳さんが失踪してしまい、探偵の権田が行方調査を行っている。
柳さんのデスクにあった、ラジオ局宛ての奇妙な手紙がヒントになりそうだ。権田はその手紙の差出人“高谷さな”の住所を訪ねることに。
柳さんの身を案じているあなたも権田のあとを追う――。

こういうのは完全になりきったほうが楽しいので、設定を頭に叩き込んでおこう。柳さ~ん、どこへ行ったんだ~!

いよいよスタート

映画の権田はマキタスポーツさんがかなりイイキャラで演じているが、こちらの権田も近い雰囲気

写真の男性が探偵の権田である。手紙の差出人の住所は、どうやらこの古びた一軒家らしい。

「誰かいますかぁ」

権田が中の住人に呼びかけるが、不在のようだ。しびれを切らした権田は、大胆にも勝手口から中へ入ってしまった。不法侵入にヒヤヒヤしつつ我々もこっそり中へ……

するとそこは、ただ居るだけで苦痛に感じられるほど負のオーラが充満した異様な家であった。陽の光が入らず、外の音も聞こえない、完全に隔絶された異空間だ。もう帰りたい。

何をするにも恐怖が伴う家の中

家の中で早々に柳さんを見つけるが、鍵付きの部屋に閉じ込められており連れ出すことができない。権田と協力して柳さんを助けることに。

「鍵さえ見つければいいのか」と思うが、そう簡単にはいかない。ほの暗く不気味な二階建ての家の中をくまなく探索し、様々なアイテムを見つけたり、とある儀式を行ったりしなければならなくなる。家の不穏さがすごいので、どんな行動をするにも恐怖が伴う。

あちこちに散らばっているカセットテープは、映画のキーアイテムでもある

ある局面では参加者の行動によってストーリーが分岐するため、自分たちの選択が正しいか疑心暗鬼になり、恐怖は増す一方。結果、予想もつかない怪現象に襲われることも……。

怪異が私たちを付け狙う

謎解きだけに集中してはいられない。あなたを呪いたがっている少女・さなや、その他の怪異が家の中をうろついているため、姿が見えたらすぐさまどこかに隠れなければならないのだ。さなが口ずさむ“呪いのメロディー”が聞こえてくると、ゾワゾワと悪寒が走る。

2階に隠れようとしたら……


“さな”がいるッ!

……

……

慌てて逃げると……

もう後ろまで来てるッ!!!


押入れや衣装箪笥など、隠れられる場所は結構あるのだが、いずれも不穏な雰囲気がすごすぎて入るのを躊躇してしまう。しかし、怪異が後ろに迫っていると選択の余地はない

気がついたら、取材班のメンバーを押しのけ、不気味な押入れに誰よりも速く駆け込んでいる自分がいた。押入れにかかった布の隙間から覗き見て怪異が去るのを待っている時間は地獄のようである。目が合いませんように……目が合いませんように……。

すると、別の場所に隠れた取材班のA氏が怪異に引きずり出され、連れ去られるのを目撃してしまった。そ、そういうパターンもあんの……。

A氏はその後しばらくして我々のもとに帰ってきたが、明るい調子で参加したA氏がすっかり顔面蒼白になっており、「ナンカ……ホントニナンカ……ヤバカッタンスヨ……」としどろもどろにぼやいていた。

怪異に連れ去られた彼が閉じ込められていた場所がこの風呂場である。

そりゃ様子がおかしくもなるわ。

その後、様々な局面を乗り越え、我々はなんとかこの家から生きて脱出することに成功した。ドアが開き、外に出ると、一気に安心感に包まれる。セミの鳴く声すらいとおしい。外はまだこんなに明るかったのか……。

映画の公開に先駆けてスタートしたこのお化け屋敷。映画を観ていなくてももちろん楽しめるし、映画鑑賞後だと様々な場面や怪現象に「これ、映画で見たやつだ~!!」という感慨がわき、格別の体験だ。まさしくホラー映画の登場人物になった気分。

謎解き要素があるが、謎が解けずに詰まってしまった際には、権田や柳さんにヒントを乞うことも可能なので、苦手な人でも楽しめるはず。ただし、「権田の言う通りにしたら怪異に襲われかけた」と嘆いているメンバーもいたので要注意。そういった裏切り(?)もまた楽しい。めちゃくちゃ怖かったけど。

生還した取材班。カセットテープを手に記念撮影したけど確実に呪われてんな。

なお、我々が体験したのは8月8日までの通常公演で、8月10日から最終日の14日までは、恐怖レベルが激増する特別公演に切り替わるそうだ。あれ以上怖くなるのか……。映画と併せてお楽しみあれ。

映画『ミンナのウタ』
8月11日(金)全国公開

『ミンナのウタ』✕オバケン 「呪われた旋律」公式サイト
https://obaken-event.wixsite.com/norowareta-sennritu

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