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アリ・アスターを魅了したカナダの異彩、ガイ・マディン監督初期作の先行上映が開始

2025.03.14 by

若き日のアリ・アスターを魅了した、カナダの映画監督ガイ・マディンの初期2作品が4K版で劇場公開。シアター・イメージフォーラム(東京・渋谷)にて3月15日より先行公開されたのち、順次全国公開される。

ガイ・マディンは、生まれ育ったカナダのウィニペグを拠点に創作活動を続け、国際的評価を得ている映画監督。『ミッドサマー』『ボーはおそれている』のアリ・アスターは、学生時代に手掛けた短編作品において「彼の作品からアイデアをいくつか頂戴している」と語っており、ガイ・マディン監督の最新作『Rumours』(2024)では製作総指揮を買って出ている。


ガイ・マディン監督

「NIGHTMARE OF GUYMADDIN ~倒錯する悪夢の狂宴~」と題された今回の上映では、『ギムリ・ホスピタル』(1988)と『アークエンジェル』(1990)の2作品をラインナップ。

長編第一作の『ギムリ・ホスピタル』は、19世紀末のカナダの寒村にある不気味な病院を舞台に、天然痘を患った漁師のエイナーと、看護婦たちに人気の患者グンナーとの不思議な因縁を描く。撮影直前、演者たちに10種類の感情の番号を指示するのみ(1・恐怖 2・嫉妬 3・憎しみ 4・後悔 5・悲しみ 6・忘却 7・あこがれ 8・恥辱 9・復讐 10・愛)というユニークな演出手法で撮影された。同作は『イレイザー・ヘッド』(1976)や『エル・トポ』(1969)を全米配給したベン・バーレンホルツに「全くとんでもない、エキサイティングな作品。限られた観客層が強力な反応を示す類の映画だ」と評価され、ニューヨークでの上映で長期にわたるカルト的な人気を博した。

長編第二作の『アークエンジェル』は、第一次世界大戦終盤のアルハンゲリスク(アークエンジェル)を舞台としており、ロシア人兵士を中心とする“倒錯する愛”の物語を描く。『ギムリ・ホスピタル』のスタッフとキャストがほぼ続投している。

「NIGHTMARE OF GUYMADDIN ~倒錯する悪夢の狂宴~」
3月15日(土)より、シアター・イメージフォーラム(渋谷)にて先行公開
順次全国公開予定


『ギムリ・ホスピタル』


『アークエンジェル』

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