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【体験談その2】骨董市

2013.09.02 by

この記事は1年以上前に掲載されたものです。


ここに書かれた体験談は、ニコニコ生放送『ニコ厨の恐怖体験集めてみた 生怪談「ミテハイケナイ」』に投稿された、視聴者の実体験です……。

【体験談】骨董市

地元の骨董市に遊びに行ったときの体験です。

それは、大きなイベント会場を貸し切って行われた骨董市でした。私は妹と二人でそこを訪れました。
入場したときには何の違和感もなく、「何か面白いものはないかな?」くらいの気持ちでいました。
通路を進むと、まず絵画や、有名な焼物などが置かれたエリアが続きます。高価なものなんだろうな……と、足を止めることもなく、ゆっくりと歩きながら見ていました。

ふと気がつくと、広い会場で妹とは離れ離れになっていました。
出口と入り口は同じ場所なので、迷子にはならないだろうと思い、あせりはしませんでした。

絵画などのエリアを過ぎ、時計のエリアになり、西洋骨董のエリアにさしかかった時でした。背後から、耳鳴りのようなキーンとした不快感が襲ってきました。
嫌な予感がして振り返ると、真剣の日本刀がずらりと並んでいました。人気がなく、店番をする人間もおらず、ただギラギラと刃が輝いていました。

帰ろうとして妹を探しましたが、みつかりませんでした。私は、すぐそこに見えていた出口に向かって急ぎました。そして、出口にさしかかったとき、自分の意識がぼんやりと遠のいていくのを感じました。
――どのくらいの時間が経ったのか私には分かりませんでしたが、突然妹の声がしました。

「どうしたの!? おねえちゃんどうしたの!?」

妹の慌てた声で私は正気に戻りました。
どうやら私は、ぼうっと一点を見つめて立ち尽くしていたようです。

「何見てんの!? あれなに!?」

妹が引きつった顔で、私の顔と、私の視線の先とを見ていました。
そこには

“南無阿弥陀仏”

と墨で書かれた大きな紙が、垂れていました。

その背後には、プラスチックのケースが高く積まれており、中に、白い布が巻かれた長物がいくつも見えました。私はどうしてそこに立って、それを見ていたのかわかりませんでした。
耳鳴りのような不快感も残っていたので、急いで妹と会場をあとにしました。
あれがなんだったのか分かりませんが、妹と私はそれについて話すことができませんでした。

体験談提供者:にけ さん

[イメージ画像]Flicker:http://www.flickr.com/photos/darkroses/2214598536/

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