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自動車事故で性的興奮を覚える人々を描いた、デヴィッド・クローネンバーグ監督の『クラッシュ』(96)が、『クラッシュ 4K 無修正版』として1月29日より日本公開決定。
SF作家J・G・バラードが1973年に発表した同名小説を映画化し、死と隣り合わせの危険な快楽を描いた本作は、第49回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞。マーティン・スコセッシ監督が選ぶ1990年代のベスト映画にもランクインするなどの称賛を受ける一方で、その過激な性描写が問題視され、イギリスの新聞「デイリー・メール」紙が1面で上映禁止を呼びかけるなど、賛否両論を巻き起こした。
ある日、映画プロデューサーのジェームズは車で正面衝突事故を起こす。相手のドライバーは死亡、助手席に乗っていたドライバーの妻ヘレンはジェームズとともに病院へ搬送される。院内を歩き回れるほど回復したジェームズは、夫の死になぜか平然としているヘレンと、彼女に付き添う不思議な男ヴォーンと顔を合わせ、事故の写真を見せられる。退院後、ジェームズとヘレンはそれぞれ事故の衝撃を通して思わぬ性的興奮を感じていた。再会した 2 人はセックスに及び、事故の体験により新たなエクスタシーを開拓するグループ、カー・クラッシュ・マニアの会の存在を知り、その世界にのめり込んでいく。
撮影は『ロッキー・ホラーショー』(75)を担当したほか、『戦慄の絆』(88)、『裸のランチ』(91)以降のクローネンバーグ作品全てで撮影を手掛け、クローネンバーグファミリーとも言えるピーター・サシツキー。
この度の上映素材は、2019年、第76回ベネチア国際映画祭で上映され話題を集めたもの。長らく消失したと思われていた35mmオリジナルネガがカナダで発見されたことを機に、3ヶ月かけてサシツキー監修のもと4K化。クローネンバーグが最終承認を与えた素材となっている。
全編の8割以上がセックスシーンである本作において、主人公ジェームズを演じたのは、『セックスと嘘とビデオテープ』のジェームズ・スペイダー。夫を失いながらも新たなる欲望を開拓しようとするヘレン役を、『ピアノ・レッスン』(93)のホリー・ハンターが演じる。交通事故で両足が不自由になりながらも、ボンテージファッションに身を包み、性の境地を切り開いていく女性ガブリエルにロザンナ・アークエット。その他、ジェームズの妻キャサリンにはデボラ・カーラ・アンガー。彼らを結びつける謎の男ヴォーンには、イライアス・コティーズなど個性豊かな俳優陣が集まっている。
『クラッシュ 4K無修正版』
2021年1月29日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開
監督・製作・脚本:デヴィッド・クローネンバーグ
原作:J・G・バラード
撮影:ピーター・サシツキー 音楽:ハワード・ショア
出演:ジェームズ・スペイダー、ホリー・ハンター、イライアス・コティーズ、デボラ・カーラ・アンガー、ロザンナ・アークエット
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