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「この映画の本質に気づかなかった人は幸福な人だ」 ブランドン・クローネンバーグ監督の危険な最新作『ポゼッサー』予告編

2022.02.18 by

この記事は1年以上前に掲載されたものです。

『アンチヴァイラル』のブランドン・クローネンバーグ監督による8年ぶりの新作『ポゼッサー』が3月4日より公開。予告編が解禁となった。

本作は、他人の意識と肉体を乗っ取って暗殺任務を遂行する暗殺者の女と、彼女に乗っ取られた男との攻防を描いたSFノワール。「作品の主題と描写が極めて刺激が強い」として、R18指定での公開となっている。

予告編は、「この映画の本質に気づかなかった人は幸福な人だ」という不穏なテロップから始まり、アンドレア・ライズボロー演じる暗殺者タシャの任務遂行の様子を映し出す。タシャに乗っ取られた黒人女性が男性の喉元をめった刺しにするシーンでは、ダリオ・アルジェント監督の『オペラ座/血の喝采』の技術面を参考にしたとのことだ。

予告編の後半では、タシャが体験する異常事態を見ることができる。巨大企業のCEOを暗殺することになったタシャは、その令嬢の婿コリン・テイト(クリストファー・アボット)の人格を乗っ取る。他人の脳から脱出する為にはその脳を破壊しなければならないが、テイトを乗っ取ったタシャは、銃の引き金を引こうとするも、どうしても撃つことができず、テイトの脳から抜け出せなくなってしまう。同じ肉体の中で激しくぶつかり合うタシャとテイト。どちらが真の“所有者(ポゼッサー)”となるのか。

アメリカの評論家エリアス・サバダは、観る者のアイデンティティすらも揺るがすような本作を、「シェイクスピアも辿り着かなかった悲劇であり、ブランドン・クローネンバーグ監督は1段階ランクをあげた。彼の持つ闇は底無しだ」(Film International)と評した。

『ポゼッサー』
3月4日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

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