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チリの二人組監督レオン&コシーニャによるストップモーション・アニメ『オオカミの家』(原題:La Casa Lobo)が8月より全国公開されることが決定した。レオン&コシーニャの最新作で、『ミッドサマー』のアリ・アスターが製作総指揮を務める短編『骨』も同時上映される。
『オオカミの家』は、クリストバル・レオンとホアキン・コシーニャの二人による初の長編映画。チリ南部のドイツ人集落から脱走した娘マリアは、二匹の子ブタがいる森の中の一軒家に逃げ込むが、その家は次第に悪夢のような世界へと変貌していく。ピノチェト軍事政権下に実在したコロニア・ディグニダというコミューンにインスパイアされた作品で、全編カメラが止まることなく最後までワンシーン・ワンカットで空間が変容し続けるという独創的なアニメーションのスタイルをとっている。レオン&コシーニャが監督・脚本のほか、美術、撮影、編集も兼任。作品の大部分を二人で手掛け、完成までに5年の歳月を費やした。
本作に惚れ込んだというアリ・アスターは、「レオン&コシーニャは、まぎれもなくヤン・シュヴァンクマイエルとクエイ兄弟の後継者だ。『オオカミの家』のような作品が作られたことは、過去に一度もない!」と絶賛。一晩に何度も鑑賞した末、自ら二人にコンタクトをとり、彼らと意気投合したという。アスターは今回同時上映される短編『骨』の製作総指揮に名乗りを上げたほか、自身の最新作『Beau is Afraid』内の12分に及ぶアニメ・パートを彼らに依頼している。
ポスタービジュアルは、劇中に登場するあらゆる形態の主人公マリアをコラージュした日本オリジナルのデザイン。監督のレオン&コシーニャも「大好きなアートワークだ。本当に完璧! アメイジング! 早くシェアさせて!」と大変喜んだそう。
同時上映の最新作『骨』は14分の短編作品。2021年、新憲法草案の議論が進むチリで、少女が人間の死体を使って謎の儀式を行っている奇妙な映像が発見される。“1901年に制作された世界初のストップモーション・アニメ”……という設定だそう。こちらも気になる。
『オオカミの家』(同時上映:短編『骨』)
8月より、渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
© Diluvio & Globo Rojo Films, 2018
© Pista B & Diluvio, 2023