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世界中で大ヒットし、日本でも遂に公開された映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』。その前日譚にあたるアニメ映画『ソウル・ステーション・パンデミック』が9/30より公開となります。
ゾンビ映画というジャンルが一般的でなかった韓国で異例の大ヒット、老若男女問わず夢中になったという映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』は、高速鉄道KTX内で幼い子を連れたビジネスマンが感染爆発に巻き込まれるストーリー。鉄道内という限定的なシチュエーションでのサバイバルアクション、ゾンビ感染のスリル、危機的状況での人間ドラマを余すことなく盛り込み、日本でもフィルマークスやぴあ映画調べの初日満足度ランキングで1位を獲得。「感情を揺さぶられた」「泣かされた」と好評を博しています。
その前日譚とされるのが、ソウル駅でホームレスを中心に感染爆発が巻き起こる『ソウル・ステーション・パンデミック』。実家を出て体を売って生活していた女性・ヘスンや、彼女のヒモであり恋人のキウン、ヘスンの行方を探す父親、帰る家もない中で必死に生き残ろうとするホームレスらが壮絶なサバイバルを繰り広げ、運命に翻弄される様を描きます。
見て見ぬふりをされるホームレス、彼らがゾンビになったら?
両作を手掛けたのは元々アニメ映画を数々手がけていたヨン・サンホ監督。日本での公開こそ順番が逆になりましたが、先に制作したのは『ソウル・ステーション・パンデミック』の方です。『ソウル~』の実写映画化を提案されたヨン監督は、「せっかく撮るならば」と新たにストーリーを練り上げ、『新感染』を完成させたのだそう。
両作を観比べてみると、『ソウル~』は社会への風刺がより色濃く、ヘヴィーで絶望感を煽る物語になっており、『新感染』がかなりエンターテイメント色を濃くした物語であることが分かります。ソウル駅で寝泊まりするホームレスをゾンビにするというアイデアは、「ソウル駅にいるホームレスを見て見ぬふりする人々は、彼らがゾンビになったときに果たしてその存在に気付くのだろうか」という疑問を抱いたことから始まったと監督が語っています。インタビューはこちら
腹にズシンとくる物語が観たい人、そして『新感染』でヨン・サンホワールドの魅力にとりつかれた人には是非ともチェックしていただきたい映画『ソウル・ステーション・パンデミック』は、9/30より新宿ピカデリーほかにて全国ロードショーです。どうぞお楽しみに!
『ソウル・ステーション・パンデミック』
監督・脚本:ヨン・サンホ 『新感染 ファイナル・エクスプレス』
製作:イ・ドンハ、ソ・ユンジュ、ヨン・サンホ 製作総指揮:キム・ウテク、ソ・ヨンジュ、イ・ウン
美術監督:リュン ・キヒョン 編集:ヨン ・サンホ、イ・ヨンジュン 音楽:チャン・ヨンギュ
<ストーリー>
起きていることは現実だ!世界の終わりは、ここから始まる。へスン(声:シム・ウンギョン)は奴隷的な風俗店での生活から逃げ出して、現在は甲斐性のない恋人キウン(声:イ・ジュン)と暮らしているが、キウンが稼ぐ術も、オンラインでヘスンに体を売らせることしかなかった。そのことでケンカし、ひとりで夜のソウルをさまようへスン。その頃、ソウル駅では、血まみれのホームレスが息絶えた後、生き返り、人を襲い、食らいつき始める。ゾンビが人を襲い、襲われた人がゾンビとなってまた人を襲う。犠牲者は瞬く間に増え、パンデミックの発生を知ったキウンは、ヘスンの父と名乗る男(声:リュ・スンリョン)とへスンを探す。一方、政府はソウル駅周辺を封鎖し、事態を終息させようとするのだが…。